私たちの健康的な生活のために欠かせないもののひとつに「睡眠」があります。
心身共に毎日を元気で過ごすためにも睡眠はとても重要なことは皆様もご存知でしょう。
そんな反面、皆様の中にも、
「まとまった睡眠が取れなくてストレス…。」
「眠りたいのに寝られなくて翌日に響く…。」
「効率のいい睡眠ができなくて仕事にも影響が…。」
などというお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか?
それはひょっとしたら何らかの「睡眠障害」かもしれません。
今回は、私たちの健康的な毎日を脅かす睡眠障害にスポットを当てていきましょう!
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目次
1 睡眠障害とは?

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ではまず、そもそも睡眠障害とはどのようなものなのか?ということからお話ししていきましょう。
睡眠障害とは環境や心身の状態、服用している薬などの要因から、眠りにくい、眠たさが取れない、夜中に起きてしまうなどといった睡眠に何らかの症状が現れていることを言います。
これらの原因を合併して発症する場合もあるので、症状ごとの原因や対策を考える必要があります。
睡眠障害の代表的なものとして挙げられるのが「不眠症」で、日本人の約21%が不眠症に悩んでいるというデータがあります。
また、不眠症の他にも様々な睡眠障害があります。
主に睡眠障害とされているのが、
- 不眠症
- 過眠症
- 睡眠呼吸障害
- 概日リズム睡眠障害
- 睡眠時随伴症
- 周期性四肢運動障害
- むずむず脚症候群
などがあります。
次からはそれぞれの睡眠障害がどのようなものなのかについて触れていきます。
2 不眠症

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2-1 症状
不眠症の症状として主に挙げられるのが、
- なかなか眠れない
- 眠りが浅い
- 朝早く目覚めてしまう
といったものがあり、日本人の約5人に1人が不眠症に悩んでいると言われています。
男性よりも女性に多く、20代〜30代に発症し加齢に伴って増加していきます。
不眠症にもタイプがあり、
- 入眠困難…寝ようと思ってもなかなか眠れない
- 中途覚醒…眠っている途中でなんども目が覚めてしまう
- 早朝覚醒…本来起きる時間の2時間以上も前に起きてしまう
- 熟眠障害…眠りが浅くて眠れた気がしない
といったタイプがあります。
2-2 原因
では、不眠症を引き起こす原因にはどのようなものがあるのでしょうか?
主な原因と言われているのが、年齢や性別、体の痛みや頻尿などの「身体要因」によるものや、騒音や気温などの「環境要因」があります。
悩みによるストレスや緊張、睡眠に対するこだわりなどの心理的な要因や、アルコールやカフェインの摂取、服用薬などの要因もあります。
2-3 改善策
では、不眠症を改善するにはどのような対策を考えれば良いのでしょうか?
効果がある方法としては、
- 就寝する時間をなるべく一定にする
- 睡眠時間にあまりこだわらない
- 昼寝をする
- 適度な運動、日光浴をする
- 趣味を楽しんでストレス解消をする
- 寝る前のアルコールやカフェインは控える
- 自分に合う枕や布団を選ぶ
などといったものがあります。
不眠症である以前に快適な睡眠をしたい!といった希望を叶えるためのものになるので、症状がない方でも実践して損はありませんね!
3 過眠症

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3-1 症状
不眠症とは反対に、夜眠れているはずなのに日中に強い眠気が襲ってくるというものです。
皆様も経験はありませんか?
「あんなに寝たのにまだ全然眠い…。」
もしかしたらそれは、「過眠症」かもしれません…。
過眠症にもタイプがあり、
- ナルコレプシー…日中の強い眠気や感情の起伏によって体の力が入らな区なるといったもので10代での発症が多い
- 突発性過眠症…10台から20代に多く目覚めてもリフレッシュ感が少なく10時間以上寝てしまうこともある
- 反復性過眠症…強い眠気を有する期間が3日〜3週間続いてしまう非常に稀な症状で10代男性に多い
これらが過眠症として挙げられます。
3-2 原因
過眠症には明確にこれ!といった原因というよりも、
「脳内の覚醒機能に異常がある」
「夜間に何らかの睡眠障害が起きている」
といったものが原因として考えられています。
3-3 改善策
過眠症の改善策としては、不眠症と同様にまずは規則正しい生活を心がけることが重要です。
日中に昼寝の時間を取り入れたりするのも効率的な睡眠には効果的です。
中枢神経を刺激する薬を服用するなどの対策もありますが、使用する前に必ず医師の診断を受けましょう。
4 睡眠呼吸障害

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4-1 症状
睡眠時に呼吸に異常が見られることを「睡眠呼吸障害」といいます。
代表的なのは「睡眠時無呼吸症候群」で1時間あたりに5回ほど無呼吸または程呼吸状態になることを指します。
主な症状としては、
- 日中の強い眠気
- いびきが大きい
- 睡眠中の息苦しさ
- 頻尿
- 起きている時の頭痛や倦怠感
などが挙げられます。
中年期に多く見られ、睡眠時無呼吸症候群の95%が「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」であるとされ、高血圧や心疾患、脳梗塞などの要因になると言われています。
4-2 原因
睡眠時無呼吸症候群の原因とされているのが、空気の通る道である「上気道」が閉塞してしまうことと言われています。
上気道の閉塞を引き起こす要因としては、
- 肥満
- 首が短く脂肪が多い
- 顎が小さい
- 舌が大きい
主にこれらが挙げられます。
4-3 改善策
睡眠時無呼吸症候群を改善するには、「経鼻的持続陽圧呼吸療法」といった鼻の治療や、口内装置による口腔の治療が効果的とされています。
上気道の閉塞の要因である肥満を解消するためのダイエットも大変効果があると言われています。
睡眠薬の服用はかえって悪化させることになってしまいますので控えましょう!
5 概日リズム睡眠障害

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5-1 症状
あまり聞き覚えがない睡眠障害ですよね。
「概日リズム睡眠障害」とは、昼夜のサイクルと体内時計のリズムが狂ってしまい、自身が望む時間に睡眠を取ることができなくなることから日中の活動に支障が出てしまう睡眠障害です。
概日リズム睡眠障害には多くのタイプがありますので、それぞれの症状を挙げていきましょう。
- 勤務時間によるもの…夜間の不眠、日中の眠気で作業効率が下がったり食欲不振や倦怠感など心身ともに影響がでる
- 睡眠相前進症候群…夕方から眠くなって朝早くに目覚めてしまう
- 睡眠相後退症候群…明け方まで眠れず眠ってしまうと昼過ぎまで目が覚めない
- 非24時間睡眠覚醒症候群…眠りにつく時間と起きる時間が1〜2時間ずつ遅れていってしまう
- 不規則型睡眠覚醒パターン…眠気と覚醒が不規則に現れてくる
主にこれらが挙げられます。
5-2 原因
先ほどご紹介した概日リズム睡眠障害のタイプごとにそれぞれの原因を挙げていきましょう。
5-2-1 勤務時間によるもの
夜勤と日勤が常日頃から変化してしまい、睡眠時間自体が規則的に取れないことが原因とされています。
睡眠時間が不規則になってしまうと体内時計が狂ってしまうので症状が悪化する場合には勤務時間については考えなくてはいけませんね。
5-2-2 睡眠相前進症候群
体内時計が進んでしまっているために発症します。
高齢者に多く見られる睡眠障害です。
5-2-3 睡眠相後退症候群
前進症候群とは反対で、体内時計が遅れてしまっていることから発症が見られます。
睡眠時間が後ろに下がっていることから自身のスケジュールとかみ合わず、無理に起きてしまって日中の眠気や倦怠感に襲われる、といった悪循環に陥ってしまいます。
5-2-4 非24時間睡眠覚醒症候群
例えば長期休暇などで昼夜が逆転する生活を送ってしまうと発症すると言われています。
朝の日光で体内時計がリセットされなくなってしまうので、昼夜逆転の生活は睡眠に大きな悪影響を与えることになりますね。
5-2-5 不規則型睡眠覚醒パターン
寝たきりの生活になってしまった場合などに起きるパターンです。
社会との接触が極端に少なくなってしまい、体内時計のリセット機能が低下してしまうことが原因と言われています。
5-3 改善策
概日リズム睡眠障害は、日頃の生活による規則正しい睡眠環境の構築が何よりの改善策となっています。
体内時計の機能を落とさないために日頃から日光を浴びるよう習慣づけてみたり、休日にもできるだけ普段と同じ時間に起きるようにしてみるなどといったことから改善に向かうことができるでしょう。
睡眠薬の服用やサプリメントも効果がありますがやはり医師の診断を受けてからが安全ですよ!
6 睡眠時随伴症

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6-1 症状
入眠や睡眠中、覚醒時など睡眠時に起こるよくない現象のことで、主に、
- 睡眠時遊行症…主に学童時に見られる夢遊病とも言われる症状で、睡眠中に動き回ったりすること
- 睡眠時驚愕症…夜驚症とも呼ばれ、学童時に多く見られるもので睡眠中に悲鳴や鳴き声を挙げて錯乱状態になってしまう
- レム睡眠行動障害…見ている夢に間することで大声で寝言を言ったり体を激しく動かす症状
- 悪夢を見る…睡眠中に悪夢を見て恐怖や不安からうなされる
また、金縛りや歯ぎしりといった症状も見られます。
6-2 原因
睡眠時随伴症の原因とされているのは、やはり他の睡眠障害と同様に不規則な生活が原因のひとつと言われています。
その他に、心身的なストレスによるものが大きな原因とされているのが睡眠時随伴症の特徴です。
6-3 改善策
改善するには、まずは生活リズムを整えることが大前提です。
また、ストレスの要因である問題をできる限り軽減するために日中にいかにリフレッシュするかを考えることが対策として効果的でしょう。
例えば好きなものを食べたり、お気に入りの音楽や映画を鑑賞したりするなどといったご自身に合ったストレス解消法を実施して眠る前にはスッキリしている、というのが理想ですね!
7 周期性四肢運動障害

7-1 症状
眠っている時につま先や足がピクッピクッと動いてしまう、ひじを曲げたり伸ばしたりするなどといった症状が1時間に15回以上出る睡眠障害のことを「周期性四肢運動障害」といいます。
眠っている時の症状なので当然自覚はないもので、家族などから指摘を受けて初めて実感するものになります。
恐ろしいのは、自覚がなくても睡眠に影響が出ていることには変わりがないので、目が覚めても眠気が取れない、夜中に起きてしまうといった症状が出てしまいます。
7-2 原因
周期性四肢運動障害の明確な原因は未だ発表されておりません。
ですが、パーキンソン病のようにドーパミンの障害によるものではないかと予想されています。
また、カフェインの過剰摂取による中途覚醒も発症の原因ではないか?と言われています。
7-3 改善策
根本的な原因が明確になっていない以上、確立された改善策もないのが現状です。
上述したドーパミン障害の対策となる治療薬を服用したり、睡眠前のカフェイン摂取を控えるなどといった、原因の可能性があるところから手を回していくのが現段階では適した手段と言えるでしょう。
8 むずむず脚症候群

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8-1 症状
眠りにつこうとする時に足にむずむず感が走ったり、虫が這っているような不快な感覚に襲われることを「むずむず脚症候群」といいます。
脚の内部に起きている症状で、夕方から夜にかけて症状が強くなっていきます。
また、先ほどの周期性四肢運動障害を併発することも多く、睡眠がさらに非効率なものになってしまいます。
8-2 原因
むずむず脚症候群には原因がはっきりしていない「一次性」と他の病気などの投薬から関連する「二次性」があります。
一次性は原因がはっきりしていませんが、ドーパミンの障害や鉄分性のもの、遺伝によるものがあるのではないかと言われています。
二次性はパーキンソン病や鉄欠乏性貧血などの治療薬が原因で発症するのではないかと言われています。
8-3 改善策
むずむず脚症候群は生活習慣の改善で症状がよくなっていくと言われています。
例えば就寝前や日常的に軽めの運動をしたり、バランスのて取れた食生活なども対策として挙げられます。
また、生活習慣の改善でも症状の回復が見られない場合は、医師の診断を必ず受けた上での投薬治療も可能です。
まとめ

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今回は、睡眠障害についてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
一口に睡眠障害といってもたくさんの種類があってそれぞれに異なった症状や原因があります。
そのひとつひとつを全て知ることができればもちろん良いですが、なかなかそうはいきませんよね…。
なのでせめて自分自身や家族に心当たりのある症状や今後発症するかもしれない思う症状については知っておきたいですね!
最後に、睡眠について触れた以前の内容なども合わせてご紹介しておきますのでこちらも参考までにどうぞ!
「早めにケアを!体力と気力が奪われる不眠症の原因と3つの対策」
「その不眠は飲食の不摂生かもしれません。東洋医学から見た不眠に関して」
今回ご紹介した内容で睡眠について不安や悩みがある方を少しでも助けることができれば幸いです。
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