高齢者が増加していく中で、介護に適したサービスや用品などがどんどん出てきました。
一人一人に求めるものが違います。
例えば…。
「自宅から病院に行くための移動手段について知りたい!」
「お散歩に行くときに役立つ介護用品が欲しい!」
「お風呂や睡眠の悩みを解消したい!」
などなど、たくさんの希望がありますよね?
ですがどんな高齢者にも例外なく重要視したいものというものもあります。
それは…。
「住まい」です!
高齢者にとって老後を安心して過ごすためには充実した住まいが必須になりますよね?
介護の状態によって老人ホームなどの介護施設を利用する場合もあれば、自宅で家族や専門スタッフに面倒を見てもらう在宅介護を受ける場合もあります。
また、老後の住まいの候補の一つとして、「サービス付き高齢者向け住宅」と呼ばれるものがあります。
今回は高齢者の住まいにスポットを当て、サービス付き高齢者向け住宅について深掘りしていきたいと思います!
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目次
1 サービス付き高齢者向け住宅とは?

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1-1 特徴
ではまず、サービス付き高齢者向け住宅とはどういったものなのでしょうか?
「サ高住」「サ付き」と呼ばれることもある住宅で、主に民間企業が運営する介護施設のことを指します。
※以下、サ高住と称させて頂きます。
バリアフリーに対応していて、最大の特徴としては「賃貸住宅」であるというところでしょう。
高齢者が増加して行く中で施設の入居待ちなどの問題が目立ち始めています。
そういった現状に不安を抱く方も少なくないでしょう。
そんな不安を解消するためのサービスとして平成23年10月に開始された制度で、老人ホームなどの入居待ちの高齢者への対策や、入院日数の短縮などの対応手段として注目されています。
1-2 老人ホームとの違い
高齢者が入居する施設として「有料老人ホーム」もありますがサ高住とは何が異なるのでしょうか?
ここでは老人ホームとの違いについて触れていきましょう。
まず大きな違いとしては老人ホームが入浴や食事、排泄などの介助を行ってくれる「介護施設」なのに対して、サ高住はバリアフリーなどの設備は整っていますが先ほども少し触れたようにあくまで賃貸住宅なのです。
このように住まいとしての定義が大きく違ってくるほか、契約形態やサービスについても異なります。
契約形態についてですが、サ高住が通常の賃貸のように事前に敷金、礼金のみを納めるのに対して、老人ホームは入居一時金を支払う「利用権方式」となっています。
また、老人ホームは施設ごとのサービスが入居者に提供されるのに対して、サ高住ではそれぞれが利用したいサービスを選択できるようになっています。
2 サービス内容

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では、サ高住にはどういったサービスがあるのでしょうか?
老人ホームなどの介護施設とは異なりサ高住は「まだ介護が必要ではない高齢者のためのサービス」なので提供されるサービスも、
- 安否確認サービス
- 生活相談サービス
この2種類のみになります。
老人ホームが提供する介護サービスがない代わりに比較的自由に生活ができるのがサ高住です。
では、サ高住で提供される2つのサービスについて触れていきましょう。
2-1 安否確認サービス
名称の通り、サ高住で生活をしている高齢者の安否を係員が行うサービスです。
確認頻度や確認方法の主な例としては、
- 朝のみ確認
- 夜間のみ確認
- 夜間に口元に手を当てて呼吸で確認
- 毎食後確認
- 朝食後、夕食後に確認
- インターホンの呼びかけで
- 電機メーカーやガスメーターで確認
- GPSなどで確認
- カメラを設置して映像で確認
などがあります。
安否確認の頻度や確認方法も入居先によって違いがありますので事前に調べておくと良いでしょう。
2-2 生活相談サービス
安否確認とは異なり、高齢者の安全面への配慮ではなく実際に生活をしている上での相談に関するサービスです。
主な内容の例としては、
- 介護サービスや生活サービスの手配
- 医療面に関する相談
- 家族、親族間との人間関係
- 家族からの伝達事項を伝えたい
- 住宅内での困りごと(買い物や居室の設備など)
などがあります。
生活をしていて困った時には生活相談員にサポートを頼んでみましょう!
3 主な設備

画像出典:http://www.chitokukai.com/elderly-housing/yunoonsen/
老人ホームなどの施設とは異なり住宅という形態のサ高住ですが、しっかりと設備に関する基準も備わっています。
ここではサ高住の設備に関するお話しをしていきますね!
先ほど触れたサービスについての内容と若干重複する部分があるのですが、まず設備の基準として挙げられているものとしては、床面積を原則25㎡とするということです。
続いて原則として挙げられるのが、台所や洗面所、トイレや収納設備などの実装です。
これらの設備が利用しやすい環境かどうか?といったところもポイントになってきます。
このほかに、住宅内の勾配の角度や段差の有無、使いやすい階段や転倒防止の手すりの有無などを高齢者が利用しやすいように配慮されたバリアフリーの面も設備としては欠かせませんね。
生活に必要な設備のほか、共用の談話スペースや入浴スペース、レクリエーションができる設備が実装されている場合もあります。
こういった住宅自体の設備のほか、先ほどご紹介した安否確認サービスや生活相談サービスも義務付けられています。
日中には高齢者のケアを専門とする係員が常駐していたり、食事の提供や夜間の徘徊対策をとってくれるサ高住もありますので、利用開始前にそれぞれに必要な設備を把握した上で入居したいところを選びましょう。
4 利点と欠点

画像出典:http://news.panasonic.com/jp/topics/2014/38813.html
サ高住だけに限ったことではありませんが、利用するにあたって当然利点も欠点も出てきます。
ここではサ高住の利点と欠点について触れていきますので、利用をお考えの皆様は参考にしてみてくださいね!
4-1 利点
まずは利点からお話ししましょう!
サ高住を利用する利点として挙げられるのは、
- 初期費用は敷金のみなので老人ホームよりも安い
- 介護度が低くても入居がしやすい
- 入居者の同意なしでの契約解除がないため安心して長く暮らせる
- 居室への出入りが比較的自由にできる
- 外出時間の制限がない
- キッチンがあれば自炊することも可能
- 入居前に利用していた介護サービスや担当のケアマネージャーをそのまま引き継げる場合がある
- 住宅数が増加傾向にあるのでより吟味することができる
などが主に挙げられます。
4-2 欠点
続いて欠点についてです。
サ高住利用の欠点として挙げられるのは、
- 老人ホームと比べるとサービスに差が出てしまう
- 介護度が高いと入居できない場合がある
- 入居していても介護度が進行すると退去しなくてはいけない場合がある
- 医師や看護師が常駐していない
- 日中の安否確認は行っているが夜間に実施しているところが少ない
- あくまで元気な高齢者向けなので必要最低限の設備しかない
- 老人ホームなどへの転居が前提としている場合が多いので終身利用には不向き
などがあります。
高齢者の介護に関する手厚いサービス、というよりは介護度が進行していないあくまで比較的元気な状態での住まいといった考え方を持っていた方がいいかもしれませんね。
5 入居に関して

画像出典:http://www.kisuien.jp/fussa/main/78.html
それでは最後に、入居に関わることについて触れていきたいと思います。
5-1 入居条件
施設によっても異なりますが、
- 年齢が60歳以上
- 自立しているか軽度の要介護認定を受けている
- 60歳以下で要支援認定を受けている
- 認知症ではない
- 感染症にかかっていない
- 自分の身の回りの管理ができる
- 同居者は配偶者か60歳以上の親族、要介護認定か要支援認定を受けている親族
主にこれらが入居の条件として定められている場合が多いです。
施設によって設定されている条件も異なりますので事前の確認は必須ですね!
5-2 入居の手続き
こちらも施設ごとに異なりますのであくまで例ではありますが、
- 入居したい施設に見学の予約や希望条件などの問い合わせをする
- 実際に希望する住宅を見学する
- 見学後、仮入居の申し込みをする
- 入居審査に必要な書類を用意する
- 高齢者の体調や環境などを踏まえた上での面談を行う
- 契約内容の最終確認をする
- 敷金の振り込みを事前に行う
- 正式な契約をする
- 引越しをして入居開始
といった流れになります。
住まいに関わることなので入居するまでにたくさんのステップがありますが安心できる住まいのためにもしっかりと手順を踏んでいきましょう!
5-3 主な費用
ここでは主にサ高住の利用にどのような費用がかかるかについてご紹介していきますが、明確な金額は契約する住宅ごとに異なりますのであくまで目安となりますのでご了承ください。
入居前にかかる費用が、
- 敷金、礼金…家賃の2、3ヶ月分の場合が多い
- 家賃の前払い…事前に一部を前払いして月々の家賃を抑えることが可能
- 保証金…入居時に預かり金として支払うもので、万が一家賃が払えなくなった場合に代わりに家賃に充てられる
入居してから月々にかかる費用が、
- 家賃
- 係員の人件費
- 施設の管理費
- 水光熱費
- 医療費やオムツ代
- その他雑費
- 食事のサービスを利用する場合には食材費や委託費
- 安否確認、生活相談などのサービス利用費
これらが主にかかります。
毎月の費用に関してはそれぞれの生活によって変わってきますし、その月その月でかかる水光熱費や雑費による出費も変動しますから毎月の管理が大切になってきますね!
まとめ

画像出典:http://www.izumi-medical.jp/institution/platinumhome/
今回は高齢者の住まいにスポットを当て、サービス付き高齢者向け住宅というものについてご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
一般的な介護施設とは大きく異なるものでより「住まい」というところに重きを置いているのが特徴で、入居する方それぞれが自由に過ごしていけることを前提としいます。
あくまで一時的な住まいとはなりますが、それでも自分らしく暮らしていけることができ、自立していても多少はある不安を解消するためのサービスや設備などの対策もバッチリです。
安心して充実した日々を送るためにサービス付き高齢者向け住宅にぜひ注目してみてくださいね!
今回ご紹介した内容が皆様が高齢者の住まいについて考えるきっかけになれば幸いです。
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