
少子化が進行し高齢者の数が増加している高齢化社会の現代ならではの様々な問題が存在しています。
それは主に介護に関わることや病気のことなど、高齢者との向き合い方に密接に関係してくるものがほとんどです。
とはいえ介護をする側も受ける側も人間同士ですから、当然様々な問題も出てきます。
これまでいくつもの介護に関わるお話をしてきましたが、今回お話するのは介護そのものの現状に大きく関わってくる問題である「老老介護」というものについてです。
老老介護とはどんなものなのか?
なぜ問題として表れ出しているのか?
老老介護についてのお話をいくつかしていきたいと思います!
それでは参りましょう!
こちらの記事もおすすめです!
目次
1 老老介護とは何か?

そもそも老老介護とはどんなものなのか?と思う方もいらっしゃるでしょうから、まず始めに老老介護の概要についてお話ししていきましょう!
老老介護とは、高齢化社会の現代に数多く存在している「介護問題」のひとつとして注目されているものです。
どういったものなのかと言いますと、高齢者が高齢者の介護をすることを老老介護と言います。
介護がご自身の生活に身近な存在になっていない方のイメージだと、体の弱くなってしまった高齢者をその家族が面倒を見ているようなシーンを想像するかと思います。
その時浮かぶのは、高齢者の家族である若い息子や娘、お孫さん達が手を取り合って介護をしている姿なのではないでしょうか。
ですが老老介護はそのイメージとは大きく異なり、高齢者同士での介護ということになっていまいます。
ではなぜこういったことになってしまうのでしょうか?
次の節で触れていきましょう!
2 老老介護の原因は何があるのか?

老老介護というあまり聞き馴染みのないものが増えてきている現状で、どういった背景があるのでしょう?
ここでは老老介護の原因についてのお話をしていきます。
老老介護の原因として挙げられているのは、
- 平均寿命が伸びることによって長寿化する
- 少子化
- 核家族化
- 介護サービスに関わること
- 情報不足
- 高齢者本人の気持ちの問題
などといったことが挙げられています。
では、これらの原因について掘り下げていってみましょう!
スポンサーリンク3 原因ごとの概要を紹介

3-1 平均寿命が伸びることによって長寿化する
近年では、医療技術の進歩によって今の高齢者が若い世代であった頃には治療の難しかった病気が脅威でなくなり、長生きする高齢者が増加してきていますね。
もちろん長生きすること自体はとても喜ばしいことではあるのですが、年齢に置き換えてみるとなかなか厳しい現状なのではないかということがわかってきます。
例えば60代の高齢者を30代の家族が介護をする、という状態はいわゆる一般的な介護の風景にもっとも近いものなのではないでしょうか。
ですが長寿化で平均寿命が伸びたことにより、90代の高齢者を60代の家族が介護をするということになってきます。
単純な年齢差でいえば変わってはいないのですが、年月が経つにつれ介護をする側の年齢が介護を受けていてもおかしくない年齢になっているのです。
3-2 少子化
介護のお話をする際には必ずといっていいほど耳にする高齢化という言葉ですが、高齢化と共に問題視されているのが少子化です。
昔とは違い仕事をバリバリやりたい!という女性も増え、それに反比例し結婚に対する憧れが薄くなっているような時代です。
また、共働きが当たり前の時代ですから子供がいても結局仕事が忙しい毎日は変わらず、その後の出生率の増加に貢献できていないという現状なのです。
3-3 核家族化
近年では、高齢者と同居をする家族が少なくなる「核家族化」が目立ち始めています。
親元を離れた子供が未婚で、仕事をメインにしているのでなかなか実家に帰ることもできずに両親だけでお互いの面倒を見なくてはいけないといったケースも多くあります。
先ほどの少子化の問題にも関わってくることと言えるでしょう。
3-4 介護サービスに関わること
家族間での介護が難しい状態になっている場合には、老人ホームなどの介護施設に入居するサービスが選択肢として浮かび上がってきます。
しかし高齢化が進む一方で、介護職に就いている人口の増加の傾向は芳しくありません。
それによって介護施設の運営がなかなか回らず、介護施設の入居を待たされることになってしまう高齢者が増えてしまっています。
また、介護サービスを利用するのにかかる費用を確保できず、結局は高齢者同士で介護せざるを得ない状況になってしまっている家庭も少なくありません。
3-5 情報不足
介護に困っている現状で知っておきたいのはやはり数々の「情報」というものになってきますよね?
例えば介護保険や先ほどの介護サービスなど頼れるものはいくつもあるのですが、高齢者にはその情報を集める手段が少ないというのも事実です。
若い世代はパソコンやスマートフォンで簡単に情報を集めることができますが、高齢者にとってはなかなか踏み込めない世界です。
体が弱くなってしまうと外出の機会も減りますから、近所の人から情報をもらう機会も減ってきてしまうので介護に関する情報を仕入れることができない状態に繋がっていきます。
3-6 高齢者の気持ちの問題
これまで触れてきたのはどちらかというと現代社会と関わりが深いものでしたが、高齢者自身の気持ちの問題によって老老介護になることもあります。
例えばどういうことかというと、
- 他人を家に入れたくない
- 警戒心が強く人を疑ってしまう
- 自分たちでなんでもやってきた世代であるというこだわり
- 人に頼ることに負い目を感じる
などといったことが挙げられます。
これらによって結局長く連れ添っていて信頼のおける高齢者同士のやりとりになってしまうのです。
4 老老介護が引き起こす問題について

ここまでは老老介護が起こる原因についての内容でしたが、これらの原因によって起こる老老介護がどういった問題を引き起こすのか、ということについてここで触れていきましょう。
老老介護が引き起こす問題として挙げられているのが、
- 介護をする側の体力的、精神的負担が大きい
- いずれ自分も介護を受けなくてはならないということへの不安が募る
- どちらも筋力が衰えているので満足な介護ができない
- それによって状態の悪化、満足に介護ができないことでうつ病などに繋がる
- 介護疲れによる心中や事故の発生
などがあります。
では、これらも含めて老老介護への対策についても触れていきましょう!
5 老老介護の対策について

老老介護の対策として挙げられているのは、
- なるべく周囲の力を借りるようにする
- 入居が可能な施設を調べる
- 介護サービスを利用できるように金銭面の管理をしておく
- 延命治療を視野に入れる
- 保険への加入をしっかり行っておく
などといったことが効果的な対策として挙げられています。
簡単な言葉で言うと「原因になりうることを防ぐ」ことなのですが、それが難しいから老老介護になってしまうとうのも現状です…。
ですのであくまで可能な限りの対策を可能な限り行っておける環境づくりを心がけることが大切になってきますね。
6 認認介護

老老介護と同様に介護問題として取り上げられているのが「認認介護」です。
これはどういったものかというと、認知症の方同士での介護ということになります。
なぜこの話をしたかというと、老老介護をしている状態がそのまま進行していくと認認介護に発展する可能性が非常に高いのです。
認知症患者同士の介護になると事故のリスクも高まりますし、虐待や介護側の症状も悪化してしまうことになります。
ですので先ほどご紹介した老老介護の対策をとることはそのまま認認介護の防止にも繋がるということになりますね。
まとめ

今回は高齢化社会の日本に起きている介護問題のひとつ、老老介護についてお話をしてきましたがいかがでしたでしょうか?
高齢者同士の介護というあまり望ましくない状態を防ぐためには高齢者自身だけでなく、私たち家族も立ち上がらなくてはなりません。
確かに仕事や自分の生活は大事です。
ですがそれを理由に自分の家族の問題を後回しにするのはどうなのか…とも思いますよね ?
とはいえ、老老介護を防ぐために自分の生活を犠牲にするということではなく、そうならないように何をするべきかを家族一丸となって考えていく必要があるということです。
綺麗事のようになってしまいますが、家族を守れるのは家族だけです。
今回の内容を参考に老老介護への対策を家族揃って考えていく機会を作ってみてはいかがでしょうか。
コメントを残す