蒸し暑く、頭上から太陽の熱にじりじりと照らされ、立っているだけでも汗をかく夏。
もちろん、汗をかくことは自然なことですが、特に何もしていないのに異常なほど汗がをかくという方・・・。
また、夏に限らず、空気が乾燥している冬場も、基本的には汗で手が湿っているという悩みを抱えている方も大勢います。
しかし、そんな自分を見て「汗かき」だなと片付けてしまうのは、まだ早いかもしれません。
「常に汗で手が湿っている」「異常な汗に書類が濡れてしまう」
など、日常生活に支障をきたすようでしたら、「多汗症」を疑ったほうがいいでしょう。
そんな今回は、汗についての悩みの中でも、多くの方が悩まされている「多汗症」にフォーカスして、その特徴や症状・原因・治療法などについて紹介していきます!
「多汗症」かな・・・?
と、悩んでいる方は、その症状や特徴・原因、または対処法を知ることで、今までよりも快適な生活を送ることができますよ!
目次
1 そもそも多汗症って何?

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それでは、「多汗症」とは一体どのようなことをいうのでしょうか?
ここでは、まず「多汗症」について、特徴や主な症状、多汗症の悩みなどについて触れていきましょう。
1-1 特徴
「多汗症」とは、体温の調節に必要な発汗が異常に増加することを言い、この疾患で悩む人は、3%から4%と推測されているそうです。
普段生活をしている中で、汗をかくことは当然ながら自然なこと。
しかし、この「多汗症」は、日常生活をする上で、いろいろな支障を来たすほどの発汗過剰が認められます。
その為、握手をするのが恥ずかしいという方や、仕事や学校の資料が汗で濡れてしまう・・・などの悩みが挙げられ、生活の質への影響も大きいです。
ですが、「汗っかき」という言葉で片付けられてしまうこともあり、病院を受診せず密かに頭を抱えている方も多い病気になります。
1-2 主な症状
手、足、腋の下、顔などから異常なほど汗をかいてしまう「多汗症」。
症状の違いはあれど、ひどい方ですと「紙が濡れて書類に記入できない」ことや「汗が原因で電子機器が壊れる」などが挙げられ、当人にとってはとても辛い症状です。
この他には、主に
- 手汗でノートや書類が濡れて記入できない
- テストの答案用紙が汗で破れてしまう
- 脇汗がひどい
- 足汗がひどくてサンダルがすべる
- 相手が不快になるのではと思い握手ができない
- 顔の汗で化粧がよれる
- 汗の匂いが気になる
- 衣類が汗ですぐに黄ばんでしまう
などの症状が挙げられます。
特に、手の汗が酷い方は日常生活で困ることが多く、もっとも生活に支障をきたしやすいと言えるでしょう。
その為、自分は「汗っかき」なんだと思い込むのではなく、症状が酷い場合は適切に治療を行うことが大切です!
1-3 多汗症の悩み
多汗症の方の悩みとしては、上記で挙げた症状と一致するものもがほとんどです。
しかし、その他には、
- 汗が原因で周りの目が気になる
- 人間関係に消極的になってしまう
- 集中できない
- 汗のニオイが気になって人に近づけない
- 自分が清潔でないような気がする
などの、精神的な悩みを抱える方も多くいます。
では、なぜ生活の支障を来たしてしまうほどの汗をかくのでしょうか?
以下では、そんな生活の敵「多汗症」の種類について触れていきます。
2 多汗症の種類

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多汗症の基準やその症状は、三段階に分けることができます。
以下がそのグレードになります。
グレード 1 | 手は汗で湿っているものの、光を利用してよく見ないと、汗ばみが分からない程度 |
グレード 2 | 手のひらの汗ばみがはっきり見える状態 |
グレード 3 | 手のひらに汗の水滴ができ、汗がしたたり落ちる状態 |
上記では、多汗症の症状の重さを三段階に分けて紹介していますが、多汗症は大きく分けると2つに分類されます。
一つ目は、全身に多汗症の症状が出る「全身性性多汗症」。
二つ目は、体の一部分に症状が出る「局所性多汗症」です。
それぞれの特徴については以下で詳しく触れていきます!
2-1 多汗症の分類①
ここでは、全身に多汗症の症状が出る「全身性性多汗症」について紹介します。
♦︎全身性多汗症
「全身性多汗症」は、普段の生活を送っている中で、普通の人以上に全身に汗をかくという症状が挙げられるものです。
その中でも、薬剤性・感染症・中枢神経疾患・循環器疾患などの多汗の症状が出る疾患が原因のケース「続発性多汗症」と、明らかな原因となる疾患がわかっていない「原発性(特発性)多汗症」とがあり、後者は原因がわかっていないことから悩む方が多いと言われています。
2-2 多汗症の分類②
ここでは、体の一部分に症状が出る「局所性多汗症」について紹介します!
♦︎局所性多汗症
「局所性多汗症」は、手のひら・顔・脇・足の裏・頭部など、体の一部にのみ多汗の症状が出るものです。
特に手のひらに多汗の症状が出る方は、「手汗でノートや書類が濡れて記入できない」や「汗が原因で電子機器が壊れる」などの悩みが挙げられる為、日常生活で困ることが多く、もっとも生活に支障をきたしやすいと言えるでしょう。
一方、頭皮や顔の多汗症は、一日中発汗が継続するといったケースもあるようです。
「局所性多汗症」も上記で触れた、多汗の症状が出る疾患が原因のケース「続発性局所性多汗症」と明らかな原因となる疾患がわかっていない「原発性局所性多汗症」に分けられます。
2-3 原発性多汗症
原因になる疾患が特にない「原発性(特発性)性多汗症」は、発汗を促す交感神経が通常の人よりも興奮しやすいのではないかということや、遺伝する可能性があることが挙げられていますが、まだはっきりしたことはわかっておりません。
3 多汗症の主な原因は?

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ここでは、多汗症の原因について解説していきます!
3-1 病気が原因
「続発性多汗症」のケースは、薬剤性・感染症・中枢神経疾患・循環器疾患・糖尿病などの多汗の症状が出る疾患が原因になることがあります。
その他、多汗の症状が疑われる場合には、なんらかの病気ではないかを考えましょう。
多汗の症状が出る疾患が原因のケースであれば、病気が完治すれば多汗症も治ります。
3-2 食生活の乱れ
多汗症は、食生活や生活習慣の乱れが原因になることも。
これは、食生活の乱れなどにより肥満体型と認められる方に多く、肥満体型の方は皮下脂肪により体の熱が外に出にくくなっています。
その為、大量に汗をかいて体温調節をしようとするということです。
また、食生活でも、塩分や脂質の多い食事、またはチョコレートやコーヒー、エナジードリンクなどに含まれる「カフェイン」の過剰摂取により、交感神経に異変が起き汗が出やすくなると言えるでしょう。
3-3 精神的なもの
多汗症の原因は、まだまだ分かっていないことが多いのが事実です。
しかし、多汗症は、精神的な問題の影響を受けやすいといわれており、緊張や不安な状況下で症状が現れるというようなケースが多々みられます。
緊張や不安などを感じると自律神経は交感神経が優位になり、交感神経が優位に働いている時に発汗が起こるので、それが敏感な人ほど、多汗症になりやすいといわれているようです。
また、パソコンやスマホの普及により人との関わり方に変化が見られる現代、社会での人間関係によるストレスや緊張も受けやすくなっていることも、交感神経が活発になりやすい環境と言えるでしょう。
4 多汗症の治療は何科?

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多汗症の治療としては、「皮膚科」や「美容外科」の分野で扱っているようです。
また、多汗症の治療を専門にしている病院・クリニックもあります。
病院やクリニックにより治療法の特徴が異なる場合があるので、事前に近隣、または通院圏内の病院に確認してから受診するのがいいでしょう。
4-1 皮膚科での治療法
ここでは、皮膚科での治療法として、「塩化アルミニウム外用療法」を紹介します。
♦︎塩化アルミニウム外用療法
幅広い年齢層と全ての部位に使用できるのが塩化アルミニウム外用液です。
この塩化アルミニウム外用療法は、塩化アルミニウム溶液(塗り薬)を汗の気になる部分の皮ふに塗る方法で、症状の重症度に応じて単純外用から密封療法があります。
しかし、肌の刺激感や炎症が起きる可能性もあるので注意が必要です。
4-2 美容外科での治療法
ここでは、美容外科での治療法として「ボトックス注射」を紹介します。
♦︎ボトックス注射
「ボトックス注射」は、汗の量が減る、治療時間が短時間、ダウンタイムがほとんどないといったメリットがあり、ボトックスを注射した周辺の汗腺からの発汗が抑制されます。
発汗が抑制されることで、ニオイも軽減することができますが、汗腺を取り除くわけではないので、効果は永続的なものではありません。
その効果には個人差がありますが、約半年~1年位の間は汗の量を抑えることが可能と言われています。
5 多汗症チェック

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上記では多汗症について、その特徴や症状・原因について解説しました!
では、一体どのような方が多汗症に当てはまるのでしょうか?
ここでは、多多汗症か否か確かめるべく、以下の当てはまるものにチェックしていきましょう。
【check1】緊張すると手のひらやわきの下に汗をかく
【check2】暑くないのに、汗ばむときがある 【check3】雑誌や新聞を読むと紙が濡れる 【check4】パソコンのキーボードが濡れる事がある 【check5】ストレスを感じる事が多い 【check6】冷房の効いた室内で過ごすことが多い 【check7】家族や友達などに、体臭や汗の匂いを指摘された事がある |
チェックが多ければ多いほど、多汗症の疑いがあるでしょう。
多汗治療は、主に皮膚科や、多汗症外来・美容外科などで行われているので、医療機関で相談することをお勧めします。
まとめ
今回の記事では、汗についての悩みの中でも、多くの方が悩まされている「多汗症」にフォーカスして、その特徴や症状・原因・治療法などについて紹介しました!
汗をかくことは自然なことですが、特に何もしていないのに異常なほど汗がをかくという方・・・は、多汗症の可能性があるかもしれません。
自分は「汗っかき」なんだと思い込むのではなく、症状が酷い場合は適切に治療を行うことが大切です!
また、多汗症の症状や特徴・原因、または対処法を知ることで、今までよりも快適な生活を送ることができるので、是非参考にしてみてください。
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