こんにちは、フィジカルマネジメント太陽堂の中田です。
皆さん、坂道を登ったりくだったりできてますか?
「そんなの余裕だよ!」
と元気なときなら言われると思いますが、ケガをしたり病気になることで、意外に難しくなりやすいです。
今回はそんなときに自宅でできるトレーニングのお話です。
画像出典:nursing-care.org

柔道整復師。
整骨院勤務、機能訓練特化型デイサービスの施設長等で15年で30000人以上を施術の経験をもつ。
「1人1人が違うように、1人1人に合わせる施術」がモットー。フィジカルマネジメント大陽堂を設立し、訪問施術を行う。現役世代の疼痛予防体操の出張講座等「予防」に力を入れた活動も行う。
目次
1 階段を上り下りしにくくなるのは下半身の筋力が低下するため
「下半身の筋力が落ちると階段を上り下りしにくくなる」
こんな話って聞いたことありませんか?
- 平地を歩くときは、体重の2倍の重さが膝にかかる
- 階段を登るときは、体重の2~3倍の重さが膝にかかる
- 階段を降りるときは、体重の6~8倍の重さが膝にかかる
怪我や病気をしてから筋力が落ちると、
「階段の上りは大丈夫だけど、下りがこわかった」
と施術をさせていただいてるお客様は言われています。
しっかり体重を支えることができない気がするそうです。
通常、階段を降りる時は、体を少し後ろに倒して重心を後ろにします。
ところが、下半身の筋力が低下すると股関節の筋肉を使って階段を降りる際に体重を支えようとするので、体が前かがみになり重心が前になります。
階段を降りる際に、前かがみになるのは転倒の危険があり、こわいと思うのも当然ですね。
下半身の筋肉をしっかりつけることで重心を後ろに置くことができます。
安全に階段の上り下りができ、平らな道だけでなく坂道も安心して歩けるようになります。
2 階段を上り下りする時に使う筋肉
階段昇降時に使用する主な下半身の筋肉は以下のとおりです。

- 【大臀筋】…体を前に出すのに働く
- 【中臀筋】…体が左右にブレないように働く
- 【大腿筋膜張筋】…体が左右にブレないように働く
- 【大腿四頭筋】…股関節屈曲、膝関節伸展の際に使う。階段降段時足を床につくとき、衝撃を吸収する働き
- 【前脛骨筋】…足関節背屈(つま先をあげる際に使う)
- 【腓腹筋】…足関節伸展。階段昇段時に、支える足を蹴り上げるときに特に使う。降段時は足を床につくときに衝撃を吸収
3 階段を降りるためには、足関節の可動域が大切
通常歩行に比べて階段昇降時は股関節、膝関節、足関節の動きが大きくなります。
階段降段時に一足一段ずつ降りる為には、自力で動かせる足関節背屈角度が20°必要であるとされています。
70代の高齢者の足関節背屈の他動での可動域は、男性で19°女性で21°程度との報告があります。
他動運動時は自力で動かすときより関節可動域が大きくなりやすいです。 階段降段時に一足一段ずつ降りる為には、 足関節を柔らかくする事が必要です。
4 下肢の筋力と足関節の可動域。両方改善するために「踏み台昇降」を!
高齢者や、歩行する機会が減っている方は膝や足周囲の筋力が落ちているので、大腿部、下腿部の筋力を鍛えることが必要です。
踏み台昇降運動で、
- 大腿部、ふくらはぎの筋肉の強化
- 足関節の可動域の改善
が効果として期待できます。
また、段差から前方に足を下ろして降りる動作を行うことで、下半身で体重を支える感覚の練習ができます。
まずは、10センチくらいの高さの自宅の段差を利用して、手すりや壁に掴まりながら行うと、安全にできます。
5 自宅で簡単!踏み台昇降のやり方
【用意するもの】

出典:www.woodone.co.jp
自宅にある10センチくらいの段差や、階段の一段目。
段差がないときは、タウンページでも可です。(滑る危険があるので、掴まるところがある場所で、閉じてある方から運動をするようにしてください。)

- 右足を段に乗せ、段の上にあがり右足から段を降りる
- 三分くりかえす
- 左足からで同じ動作を行う
片足立ちをしてみて苦手なほうを多めにやると左右バランスよく筋力をつけることができます。
※お体の状態によっては、逆効果になることがあるので、主治医の先生に確認をしてから行ってください。
[ad01]まとめ
邪魔だと思っていた段差も、トレーニングに使えるとなれば見方も変わりますよね。
実際、私もお客様のご自宅に訪問して使えそうな段差で、付き添いながら運動指導をしております。天気に関係なくできるのでおすすめです。
踏み台昇降運動をして、下肢の筋力をつけて不安なくお出かけできるようにしていきましょう!
最後に
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この記事を執筆してくださった中田さんの「フィジカルマネジメント 太陽堂」のサイトも併せて是非ご覧ください。
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