介護人口が増加している高齢化社会の現代には、それぞれの需要に合わせた様々なサービスがあります。
入浴介助や介護タクシーなど数多くあるサービスの中で、高齢者が過ごしていく住まいに関することも知っておきたいですよね!
高齢者の住まいに関するサポートを行っている介護施設がいくつかある中で、今回ご紹介するのは「特別養護老人ホーム」です。※以下、特養と表記します
「特養」とも呼ばれるこちらの施設が一体どういうものなのか?という疑問を解消するための内容をご紹介していきますのでぜひご覧ください!
それでは参りましょう!
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目次
1 特別養護老人ホームとは?

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ではまず始めに、そもそも特養とはどんな施設なのかというところからお話ししていきましょう!
1-1 特徴
特養とは、介護度が高くなり常時介護が必要になってしまった高齢者を対象としている介護施設です。
「介護老人福祉施設」とも呼ばれるこの施設は、地方自治体や社会福祉法人によって運営されている施設で、主に寝たきりになってしまった方や認知症の方など自宅での生活や在宅介護を受けることが難しくなってしまった場合に利用されますね。
余生を過ごすための「終の棲家」として選択されることも多く、最後は特養で過ごしたいと考えている高齢者やご家族が増えてきています。
自宅での介護が難しくなってしまった場合の施設なので人気も高く、入居待ちが非常に多くなっているのが現状でもあります。
1-2 有料老人ホームとの違い
いわゆる老人ホームと呼ばれる施設との違いを挙げるとするとまず第一にあるのは、入居に関わる費用のことでしょう。
特養は、公的に運営されている施設になるので比較的費用が安いのが特徴です。
反対に有料老人ホームは営利を目的として運営されているので費用が高めになってしまいます。
その他に、入居条件や入居期間の違いが出てきます。
詳しい入居条件に関しては後ほど触れていきますが、有料老人ホームはサービスによっては要介護認定を受けていなくても入居が可能です。
ですが特養には要介護認定を受けることが必須になってきたりといった条件があります。
自宅では困難な介護を請け負ってくれるので当然といえば当然ですよね…。
また、単純に現状の住まいとして捉えるか余生を過ごす住まいとして捉えるかという目的の違いも出てきます。
2 サービス内容

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では、主にどんなサービスが提供されるのでしょうか?
いくつかご紹介していきましょう。
特養で提供されるサービスは主に、
- 入浴介助→1日2回以上の入浴を原則に介助を行う
- 排泄介助→高齢者の状態に考慮し、排泄がしやすい環境下での介助を行う
- 食事→高齢者が楽しく快適な食事ができるよう提供時間やメニューなど配慮されている
- リハビリ→機能回復というよりは機能維持に近いものが行われる
- 掃除やクリーニング→職員か委託業者が定期的に行う
- 買い物→支払いが本人によるものではあるが買い物自体は職員が代行して行う
- レクリエーション→年間行事や誕生日など高齢者が生きがいを持って暮らせるよう定期的に行われる
- 生活相談→入居に関するトラブルなどを解決するために生活相談員が配置される
などが挙げられます。
施設の特色から高齢者の回復、というよりは安心して毎日を過ごしていくことを目的にしたサービスがほとんどですね!
3 設備について

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では続いて、特養の設備に関してのお話をしていきましょう。
特養には、
- 従来型個室
- 多床室
- ユニット型個室
- ユニット型準個室
主にこの4種類の居室があります。
それぞれの特徴を挙げていきましょう。
まず個室ですが、こちらはひとつの部屋にひとつベッドが置かれた従来の個室にもっとも近いタイプです。
多床室はひとつの部屋に対して最大4つのベッドが配置されている多人数での生活を念頭に置いた居室となっています。
従来型個室と同様の居室を10部屋で1グループとし、ロビーや浴室、トイレなどのスペースを共用して生活を送っていくスタイルがユニット型個室の特徴です。
また、これらの特徴をそのままに、居室は多床室を改装したものを利用することをユニット型準個室といいます。
4 特養の利点と欠点

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これまで特養とはどんなものなのか?というところにフォーカスしてお話をしてきましたが、やはりどんなサービスにも利点があれば欠点もありますよね?
決してネガティブな意味ではなく、施設を比較する際にどうしても必要な情報になってきますので利点と欠点を合わせてご紹介します。
4-1 利点
特養の利点といえば、先ほど有料老人ホームとの違いをお話しした際にも出た費用が安いということでしょう。
入居一時金などは発生せず、月額料金も低価格に設定されている場合がほとんどです。
高齢者もご家族も安心して利用してもらうためには見逃せないところですね!
また、寝たきりの高齢者などを対象とした施設なので長期での入居が可能になっています。
例えば3ヶ月までと設定されている施設もある中で、特養は終身利用が可能になっているので将来的に終の棲家として過ごしていこうと考えている方にとっては費用も相まって理想の環境なのではないでしょうか?
介護度が高い場合の入居を対象としているので、夜間でも24時間体制で介護を受けることができるのも大きな利点ですね!
4-2 欠点
反対に、特養の欠点にはどういったものがあるのでしょうか?
まず挙げられるのが、入居するにあたって介護度が重要になってくるということ。
介護度が高く自宅での介護が困難である方を対象としているので、逆にいうと介護度が低い場合には入居ができないということになってしまいます。
待機者が多くなかなか入居ができないという問題もありましたが、介護度の縛りを厳しくした結果そちらは緩和されました。
ですがそれによって今まで利用対象であった方がそうでなくなるといったことも発生してしまいます。
また、低価格で利用できるゆえに医療体制が万全でないこともあります。
特養で対応しきれない処置が必要になった時には退去せざるを得ない場合もあるのが現状です。
5 入居に関して

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それでは最後に、特養の入居に関しての情報をまとめていきたいと思います。
5-1 入居条件
特養の入居条件として主に挙げられるのが、原則要介護3以上であるということです。
寝たきりや認知症であるという場合にも入居対象となります。
ただし、重度の障害や精神疾患、家族からの虐待が深刻であるといった場合には特例として要介護1〜2でも入居が認められることも。
5-2 入居の手続き
あくまで一例ですが、入居の手続きまでの一連の流れは、
- 希望する施設に問い合わせをする
- 必要書類を用意して申し込みをする
- 空きがある場合には面接を行う
- 入居可能かどうかの判定を行う
- 入居可能となった場合には、改めて入居意思の確認をする
- 入居に関する内容に同意できたら契約、入居開始
といった流れになります。
5-3 主な費用
費用に関しては具体的にこれ!といったものよりもあくまで目安になってしまいますが、介護サービス費を2〜4万円前後とし、生活費を3〜10万円前後を相場としている場合が多くなっています。
また、居室のタイプごとに異なる場合もあり、例えば従来型個室なら月に3万5千円前後、多床室なら月2万5千円前後と設定しているといったことがあります。
あくまで目安になりますので、実際に入居を希望する施設に事前に確認をとってから判断するというのが一番良いでしょう。
まとめ

画像出典:https://www.visa-nyukan-gyoseishoshi.net/%E4%BB%8B%E8%AD%B7%E3%83%93%E3%82%B6/
今回は高齢者の住まいであるうちのひとつ、特別養護老人ホームについて触れてきましたがいかがでしたでしょうか?
高齢者が自宅に戻れるようにするためではなく、自宅での介護が困難になった場合の切り札として利用されるのが他の施設と大きく異なるのが特養です。
最後まで安心して余生を過ごすことができるよう、高齢者本人はもちろんご家族の希望に一番合った施設を見つけたいものですね。
例えば…。
「設備やサービスはいいけど遠すぎて会いに行けない…。」
「近くで便利だけどサービス内容が心配…」
などなど、気にしだしたらキリがなくなってしまいます。
ですがやはり妥協はNGです!
ここだ!と自信を持って安心と言える施設を見つけて入居してもらうことが高齢者にできる最後の愛情なのかもしれませんね!
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