原因や症状など様々なもので分類される数々の病気ですが、性別や年代ごとによって発症の傾向が異なるものも数多く存在します。
以前、女性に多い病気のひとつとして橋本病に関する内容を紹介しました。
今回紹介するのは、こちらも女性に多い病気として認知されているもののひとつ「バセドウ病」という病気についてです。
主な症状や原因、対策や完治についてなどバセドウ病に関する内容を紹介していきますのでぜひご覧下さい。
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目次
1 バセドウ病とは?

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それではまず、バセドウ病とはどんな病気なのか?ということについて触れていきましょう!
1-1 特徴
バセドウ病とは首元にある「甲状腺」という部分からホルモンが異常に過剰生産されてしまう病気です。
「TSHレセプター抗体」と言われる甲状腺を刺激する物質が体内で作られることで発症し、男性よりも女性に多く見られているのが特徴です。
甲状腺の機能が異常に発達することを「甲状腺機能亢進症」といい、これによってホルモンの分泌量が過剰になった状態をバセドウ病と呼んでいます。
またバセドウ病は、橋本病などと同様に免疫が関連してくる「自己免疫疾患」に分類されています。
1-2 主な症状
バセドウ病は主に、
- 甲状腺が腫れる
- 眼球突出
- 息切れ
- 動悸
- 体の震え
- 汗が多くなる
- 皮膚のかゆみ
- 食欲に反比例して痩せたり、太らなくなる
- 下痢
- 軟便
などの症状が見えてきます。
甲状腺が腫れると首が太くなったように見えるので、女性にはつらい症状です…。
またそこまで多くは見られないものの、眼球突出やまぶたが腫れたりといった見た目に大きく影響を与えてしまう症状も多いのがバセドウ病の特徴と言えるでしょう。
1-3 初期症状
バセドウ病を発症してしまった時に表れる初期症状についても念のため触れておきましょう。
主に、
- 息切れ
- 喉の腫れ
- いくら食べても太らない、痩せていく
- 微熱が続く
- 脈が早い
- 不整脈
- 汗が多く出てくる
- イライラする
- 眠れなくなる
- 眼球突出
- ものが二重に見える
など、バセドウ病の症状と該当するものもいくつかありますが、これらが初期症状として主に挙げられているものとなっています。
覚えがあるものがいくつかあるようであれば早めに検査を受けましょう!
2 主な原因は何があるのか?

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続いて、バセドウ病を発症する原因についてお話ししていきます。
バセドウ病は最初にも触れたように、ホルモンの過剰生産によって症状が出てくる病気です。
このように発症するメカニズム自体は解明されているのですが、なぜそうなるかという根本的な原因についてはまだ解明されていないのです。
バセドウ病の分類である自己免疫疾患は、私たちの体を細菌などから守ってくれる機能に異常が発生し、体内で暴走してしまうことなので、それがバセドウ病の原因になっている可能性もあります。
また、環境による影響もあると考えられており、例えば、
- ストレス
- 花粉症のおさまった時期
- 生活習慣の乱れ
- 妊娠
- 出産
- 過労
などが原因ではないかとも言われています。
また、遺伝によって発症する可能性もあるとされているので、親戚感でバセドウ病を発症したことがある方がいる場合には注意しておく必要があるでしょう。
3 発症しやすい年代は?

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バセドウ病は主に女性に多い病気ですが、その中でも発症しやすい年代というものがあります。
主に発症が多く見られるのは20代〜30代の若い女性です。
歌手の絢香さんも発症したということからもわかってきますね。
20〜30代に続いて多いのが30〜40代の女性ということになっているので若い世代の女性に多く見られるものであるというものになります。
もちろん男性が発症する可能性もありますが男性に比べて女性の発症率が約4倍ほど多くなっていますので、やはり女性に多い病気として認識せざるを得ませんね…。
4 バセドウ病の治療や予防について

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続いて、バセドウ病の治療法や予防について紹介していきます。
バセドウ病の治療には主に、
- 投薬治療
- アイソトープ治療
- 手術
などが挙げられます。
では、それぞれどういったものなのかお話ししていきましょう。
4-1 投薬治療
ホルモンの過剰生産をおさえる「抗甲状腺薬」を服用することで症状を改善していく治療法です。
治療としてはもっとも一般的なものにはなりますが、抗甲状腺薬には副作用を引き起こす可能性もありますので、こまめに受診して経過を観察する必要があります。
4-2 アイソトープ治療
「放射性ヨウ素」というものを利用して甲状腺の細胞を壊してホルモン量を減少させる治療法のことをアイソトープ治療と言います。
効果が出るまでに半年から1年の期間を有しますが、手術よりも簡単に行うことができるのでメリットは十分にありますね。
4-3 手術
薬などでの治療にあまり効果が見られなかったり、短期間で完治まで向かわせたいという方は手術を選択することが多いでしょう。
ただし、痛みを伴うことや首に手術痕が残ってしまうといったデメリットもあるので注意しましょう。
4-4 バセドウ病の予防
バセドウ病は原因がはっきりとしていない病気なので、確立された予防法があるわけではありません。
ですが、ストレスから遠ざかるよう意識したり、生活習慣を改善するだけで病気になりにくい体を作ることができます。
また、海藻類が甲状腺の病気を悪化させる要因になっていると言われているので、摂取を控えてみることで予防に繋がる可能性があります。
5 寛解はするのか?

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バセドウ病などの免疫に関連する病気には完治という言葉は適しておらず「寛解(かんかい)」という言葉が使われます。
寛解は「正常に戻った」という用途で使われる言葉です。
ここでは、バセドウ病の寛解についてお話ししていきます。
バセドウ病は、先ほど紹介した治療法などをしっかりと行えば免疫機能が正常化し、寛解に向かっていく病気です。
寛解自体は現実的なのですが、ある程度の年数を必要としたり、再び発症する可能性もゼロではないのでこまめに診断を受けて長期の治療を想定しておくと良いでしょう。
こういった言い方をしてしまうと「治らない病気」というイメージになってしまうかもしれませんが、しっかりと治療を行っていけば改善に向かっていくのでご安心ください!
6 こんな時、バセドウ病かもしれない

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それでは最後に、バセドウ病に関連する項目をいくつか挙げておきます。
これまでの初期症状などの項目と加えてチェックリストとして利用してみてください!
ご自身や家族がバセドウ病であるかどうかチェックする項目としては、
- 喉の腫れが目立つ
- イライラすることが増えた
- 息切れしやすくなった
- 動悸がすることがある
- 食欲が増している
- 食べても太らない
- 汗をかきやすくなった
- 脈拍が早い
- 筋力が落ちてきた
- 倦怠感がある
- 目が腫れている
- 目が飛び出ている
- ものが二重に見える
- 手足の震えが目立つ
- 下痢や軟便
- 注意力が散漫になってきた
- むくみが見られる
- 不眠がち
などといったことがある場合にはバセドウ病の可能性がありますので早めの受診をおすすめします。
まとめ

画像出典:https://doctors-me.com/doctor/endocrine/1/column/4134
今回はバセドウ病という病気について紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?
女性に多い病気として聞き覚えがある方も多いと思います。
日常生活で何気なく見過ごしがちな症状が該当している場合が多いので油断していると危険という非常に厄介な面を持っていますね。
ですがしっかりと治療を行っていけば改善に向かっていくものでもありますので、今回の内容をきっかけにバセドウ病についての意識を少しでも高めていただければ幸いです。
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