私たちの生活に関わってくる様々な病気。
原因や発症する場所、症状や治療法など病気の種類ごとに知っておくべき知識がたくさんあります。
数ある疾患の中でも特に脳に関するものについては漠然とした危険なイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
脳といえば人間の体の中でも色々な器官に直結しているものなのでそういったイメージがあっても当然かもしれませんね。
これまでもこの場でいくつか脳に関する疾患についてのお話をしてきました。
今回触れていきたいと考えているのは、脳に関連する病気のひとつ「てんかん(癲癇)」についてです!
主な症状や原因、対策について触れていきますので、てんかんという病気に聞き覚えがある方もない方もぜひご覧ください!
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目次
1 てんかんとは?

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それでは、てんかんとは一体どのような病気なのでしょうか?
主な症状についてのお話を最初にしておきたいと思います。
1-1 主な症状
てんかんの主な症状は、
- 痙攣が起きる
- 手足が突っ張って硬くなる
- 感覚や感情の変化
- 意識がなくなる
- 体の一部が一瞬ビクッとする
などと、それぞれの症状に関連性があまりなく、独立した様々なものが現れてくるというのがてんかんの症状の特徴です。
いわゆる「発作」と言われるものが定期的に起こります。
こういった発作を繰り返す脳の病気で、性別や環境に関係なく慢性的に発症しやすいものがてんかんという病気なのです。
1-2 前兆症状
いつ起こるかもわからず、急に症状が出てくるのが発作というものの特徴です。
では、その発作を事前に予測することはできないのでしょうか?
100%確実な方法ではありませんが、前兆症状として挙げられているものがいくつかあるのでそれを知っておくことで予測できる可能性が出てきます。
その前兆症状とは主に、
- 片目または両目に色々な形のものが不自然に見えてくる
- 機械音のようなものが聞こえ出してくる
- 痺れや感覚の麻痺が出る
- 熱さや冷たさを異常に感じやすくなる
- 急に感情の起伏が激しくなる
- 不安感に襲われる
- 頭痛や吐き気が起こる
などといったものが挙げられるので、てんかんの発作を起こしたことがある方が身近にいる場合には意識しておくと良いかもしれません。
2 てんかんを引き起こすきっかけ

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続いて、てんかんの発作を引き起こす原因などについてお話していきます。
2-1 主な原因
私たちの脳内の情報伝達の役割を果たしているのが「ニューロン」という神経物質なのですが、てんかんは何らかの原因でこれが異常に興奮することで発症するものであるとされています。
脳に傷がついたり障害が起こることで発作症状が現れてくるので、生まれつき脳に障害があったり、感染症などで脳が損傷してしまった場合などに多く見られます。
2-2 てんかんを発症しやすい人の特徴
てんかん自体は珍しい病気ではなく、1000人に5〜10人ほどの発症率です。
脳が未発達な3歳以下の乳幼児の発症が多く、成人するとともに症状がなくなっていきます。
ですが65歳以上の高齢になってくると、アルツハイマーや脳血管障害によって再び発症が見えてくることがあります。
これを「高齢発症てんかん」と言い、介護に関する問題として取り上げられることもあるのです。
2-3 遺伝との関わり
乳幼児に多く発症が見えてくるてんかんですが、気になるのが遺伝との関連性です。
脳の疾患、乳幼児、というワードが出てくるとどうしても遺伝によるものなのでは?と意識せずにはいられませんよね…?
ですがご安心ください、てんかんは基本的には遺伝がほとんど見られないものなのです。
遺伝する可能性も0ではないのですが、ほとんどが良性で比較的簡単に治療が可能なものになっていますよ!
3 てんかんにも種類がある!?

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実はてんかんにもいくつか種類があります。
てんかん自体の分類はもちろん発作症状にも分類があるので、ここではその分類についてご紹介しましょう!
1章で触れた症状についてさらに詳しく分類したものになります!
3-1 発作の種類
それではまずはてんかんの発作の種類から紹介していきましょう。
てんかんの発作には脳の一部が興奮することで起こる「部分発作」と、大脳の広い範囲で興奮が見られる「全般発作」に分けられています。
部分発作は大人に多く見られ、全般発作は子供に多いのが特徴です。
また部分発作と全般発作でもさらに細かく分類がされており、
- 単純部分発作⇨手足の硬直や頭痛などの症状が出るが、意識ははっきりしている
- 複雑部分発作⇨側頭葉で起こる発作なので意識はっきりしないことがある
- 二次性全般発作⇨全体発作へ発展していくもので、意識もなくなることが多い
これが部分発作の分類で、全般発作は、
- 間代発作⇨痙攣のような症状で、数十秒で治る
- 強直発作⇨体の硬直が起こり、最大で数十秒間意識を失う
- 強直間代発作⇨間代と強直が同時に起こり、1分ほど症状が続いた後意識がはっきりしなくなる
- 欠伸発作⇨数十秒間意識だけがなくなる
- 点頭発作⇨頭が倒れたり両手を振り上げるような症状が出る
- 脱力発作⇨全身の力が緩んで倒れ込んでしまう
- ミオクロニー発作⇨筋肉の一部が萎縮してビクッとなる
という特徴があります。
3-2 てんかん自体の種類
てんかん、と言われる疾患の種類は主に、
- 突発性部分てんかん⇨脳の一部に興奮が起こり、部分発作が出る
- 突発性全般てんかん⇨脳全体に興奮が起こり、全般症状が出る
- 症候性部分てんかん⇨何らかの病変がきっかけで年齢を問わず部分発作が出る
- 症候性全般てんかん⇨同じく病変がきっかけで全般発作が出る
といった特徴のある分類がされています。
これらを知っておくことで、発症する原因と症状の特徴からご自身や身近な方のてんかんの種類を絞ることが可能となります。
4 てんかんと向き合っていく

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それでは最後に、てんかんの発作と向き合っていくために必要なことをいくつか挙げていきますね。
4-1 発作が起きた時の対処
何気ない時間を過ごしている時に急に症状が出るのが発作の特徴です。
事前の予防としては先ほど触れた前兆症状のケアがもっとも効果的ですが、やはり発作が起こった時の対処法を知っておくと良いでしょう。
では、いくつか挙げていきましょう。
- 呼吸をしやすいように服を脱がしたりボタンを外す
- 痙攣を起こしている時に周りに危険なものがないか見ておく
- 発作が起きた時間を控えておく
- 舌を噛まないようにタオルなどを口に挟んでおく
- 食べ物などが気道に詰まらないように顔を横向きにしておく
- 入浴時に発作が起きた場合には溺れないように顔を水から出したり、お湯を抜く
- 発作後に眠ってしまう場合があるので、そういった時にはそのままそばにいて寝かせておく
などといった手法が対処する時に役立つのではないかと言われています。
4-2 治療について
てんかんの治療ですが、発作の特徴ごとに適した「抗てんかん剤」による薬物治療がメインになっています。
抗てんかん剤だけの治療であまり効果が見られなかったり、決定的なものに繋がらない場合には「食事療法」なども選択されます。
食事療法はあらゆる発作に効果のある脂肪性を取り入れるために、主に卵やマヨネーズ、油などを効率よく使った食事によるものです。
薬物治療とは異なり副作用も出ず、ストレスの少ない治療法なのでこちらを選択してみてもいいかもしれませんね!
まとめ

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今回は脳の疾患、てんかんというものについて触れてきましたがいかがでしたでしょうか!?
デリケートな脳に関連するもので、子供にも多く見られるものなのでお子さんのいらっしゃる方は特に気を付けておきたい内容なのではないかと思います。
高齢者にも発作が起きる場合もあるので在宅介護をしている家庭でも把握しておくと良いかもしれません。
どちらかというと事前の予防よりも、発症時にどれだけ慌てずに対処できるかが肝になってきますね!
もし身近にてんかんの発作を起こしたことがある方がいる場合には、症状に合わせた対処法を知っておくと良いでしょう!
今回の内容で皆様がてんかんについて知るとともに、対処についての意識が向いてくれれば幸いです!
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