交通手段として普段から車を使用している方も多い現代。
免許の取得をする際に、事故やルール違反がないように、様々な交通に関するルールや注意点・標識情報などを学びましたよね。
しかし、日常的に目にする標識やマークはどのような意味なのか覚えていても、なかなか目にすることがない標識やマークに関しては、実際のところその標識やマークが示す意味を忘れてしまった・・・、なんてこともあるのではないでしょうか。
また、近年は高齢者でも車を運転する方が大勢おり、それに従って高齢者の交通事故も増えているようです。
では、このような高齢者の交通事故はどのような対策をとることで減らすことができるのでしょうか?
もちろん、交通事故を起こさないように自分自身が一番気をつけなければいけないというのは、あまりにも当然ですが、高齢者の交通事故を減らす対策の一つに『高齢者マーク』というものがあります。
そこでこの記事では、そんな『高齢者マーク』にスポットを当てて、そのマークが表す意味やメリット、また付けるべき年齢と、付けていなかった際の罰則について紹介していきます。
身近に高齢ドライバーがいる人や、もうすぐ高齢ドライバーになるという人は、是非ご覧になっていってください!
出典:https://www.photo-ac.com/
目次
1 そもそも高齢者マークって何?

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それではまず初めに、『高齢者マーク』とはそもそもどのようなものなのか?というところから触れていきましょう!
1-1 高齢者マーク・もみじマークについて
『高齢者マーク』とは、道路交通法に基づく標識の一つで、70歳以上の高齢ドライバーが車に表示するものです。
正式名称は「高齢運転者標識」といいますが、四葉のクローバーをモチーフとしたデザインと葉の色使い、運転初心者が若葉マークを付けていることから、「もみじマーク」と呼ばれることも。
また、高齢者を示す「シニア(Senior)」の「S」がデザインとして組み合わされています。
1-2 デザインの変更について
ここでは、『高齢者マーク』のデザインについて少し触れていきます。
一体どれが高齢者マークなの!?と疑問に思っていた方は参考までに。
【旧デザイン】

【新デザイン】

『高齢者マーク』のデザインは、2011年(平成23年)2月1日に新しく施行され、「四つ葉のクローバー」をモチーフにデザインに一新。
以前使用していた高齢者マークは、黄色と橙色の2色で「水滴のような形」をしたデザインが採用されており、これは初心者マークと対になるデザインでしたが、「枯れ葉のよう」と批判があった為変更されました。
また、見た目から枯葉をイメージする方が多く、通称「もみじマーク」とも呼ばれていました。
2 高齢者マークを付けるべき「年齢」とその「メリット」

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この章では、高齢者マークを付けるべき「年齢」と、その「メリット」について書いていきます!
しっかりと押さえておきたいポイントなので、身近に高齢ドライバーがいる人や、もうすぐ高齢ドライバーになるという人は、是非ご覧になっていってください!
2-1 高齢者マークを付けるべき年齢は?
A . 70歳〜:努力義務 |
『高齢者マーク(高齢運転者標識)』は、道路交通法により、70歳以上のドライバーが運転する普通自動車に表示するように努めなければならないとされているものです。
4 普通自動車対応免許を受けた者で七十歳以上七十五歳未満のものは、加齢に伴つて生ずる身体の機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼすおそれがあるときは、内閣府令で定めるところにより普通自動車の前面及び後面に内閣府令で定める様式の標識を付けて普通自動車を運転するように努めなければならない。
引用元:道路交通法
上記のように道路交通法で定められている通り、70歳〜の方は、この高齢者マークを付ける「努力義務」があるとされています。
その為、身体機能に低下が見られるようであれば、表示するように心がけましょう。
※道路交通法は改正されることがあるので、その都度確認をすることをお勧めします。
(執筆日:2018年6月29日)
2-2 高齢者マーク貼るメリット
『高齢者マーク』をつけることは、運転している方が高齢であることを示すためだけのものではありません。
高齢者マークの表示がされている車には、「無理な幅寄せ」をしたり「割り込み」をすることは禁止されており、初心者マークの車と同様に、「安全に通行できるよう配慮」しなければならなくなるのです。
自分自身では、車の運転に対しての感覚の衰えをなかなか感じることができなくても、高齢期に入るにあたり運転に必要な感覚や身体機能は低下していくことが考えられます。
その為、高齢者マークを表示することは、自分自身を守るためにも重要なことで、周囲にもそのことを提示することができる点からいってもメリットになるでしょう。
3 付けていなかった際の罰則について

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それでは、実際に高齢者マークの表示をしていなかった場合は、どうなるのでしょうか?
ここでは、付けていなかった際の罰則について触れていきます。
3-1 罰則について
この『高齢者マーク』の表示は、以前普通自動車に「高齢者マーク」を表示する努力義務の対象である70歳以上のドライバーのうち、75歳以上のドライバーについてのマーク表示が、罰則等がない努力義務から罰則等がある表示義務に変更されるといったようなことがありました。
しかし、これは短期間で再び改正され、70歳以上の方は努力義務という形で使用する形になっているようです。
3-2 初心運転者等保護義務違反の罰則
高齢者マークを表示している車に対して、他の運転者は「無理な幅寄せ」をしたり「割り込み」をすることは禁止されており、初心者マークの車と同様に、「安全に通行できるよう配慮」しなければなりません。
もし、危険防止のため止むを得ない場合を除き、側方に幅寄せや割込みなどをした場合は、道路交通法違反となってしまうので注意してください。
違反内容 | 違反点数 | 反則金 |
初心運転者等保護義務違反 | 1点 | ・原付 5、000円 ・二輪車 6,000円 ・普通車 6,000円 ・大型車 7,000円 |
4 高齢者マークを貼る位置と種類について

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ここでは、高齢者マークの取り付け位置と種類について書いていきます。
4-1 高齢者マークの表示位置
高齢者マークの表示位置は、地上からの高さ40~120cmの間になります。
また、他のドライバーからなるべく見やすい位置であることや、前方又は後方から見やすいように表示することが大切です。
見えにくい位置に取り付けている場合、罰則規定はないものの、初心運転者等保護義務違反を問う際、40~120cmの間に高齢者マークを表示しておかないと違反を問えない可能性もあるので注意したほうがいいでしょう。
4-2 高齢者マークの種類
高齢者マークは、基本的には「マグネット型」と「吸盤型」になります。
使用する際は、どちらを選んでもいいのですが、しっかりと見える場所に貼ることが大切です。
また、吸盤型の高齢者マークをフロントガラスの内側から貼ってしまうと、視界を妨げてしまう恐れがあるので注意してください。
このマークをしっかりと見える位置に表示することで、結果的に自分自身を守ることにつながるといったケースや、周りへの意思表示にもなりますよ。
5 高齢者マークを入手できる場所は?

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高齢者マークを入手できる場所は主に
- 免許センター
- 自動車学校
- 警察署
- ホームセンター
- 100円ショップ
- インターネット通販
などになります。
ネット環境が整っている現代では、気軽にネットショップで購入することもできます。
また、ホームセンターや100円ショップでも取り扱いがあるようです。
しかし、中には扱っていない場所もあるので、確認する必要があるでしょう。
まとめ
今回の記事では、年配の方が運転する車に貼ってある高齢者マークにスポットを当てて、そのマークが表す意味やメリット、また付けるべき年齢と、付けていなかった際の罰則について紹介してきました。
日常的に目にする標識やマークはどのような意味なのか覚えていても、なかなか目にすることがない標識やマークに関しては、実際のところその標識やマークが示す意味を忘れてしまった・・・、なんてこともありますよね。
しかし、意味を持たない標識がないように、貼る必要がないマークもありません。
しっかりとそのマークが表す意味を理解し、交通ルールを守ることで、悲しい思いをしてしまう方も減るのではないでしょうか。
その為、一人一人が気を付け、気を遣い、思いやりのある運転を心がけましょう。
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