以前より在宅介護にとても大切な介護用ベッドについてご紹介してきましたが、そもそも介護生活と睡眠はどのような繋がりがあるのでしょうか?
快適な睡眠をとるためにはいいベッドを選ぶだけではいけません。
入浴や食事のようにしっかり準備をして介護を行う必要があります。
今回は睡眠の持つ意味やベッドやその他の寝具が快適な安眠にどう繋がるかについてをご紹介します。
介護ベッドについて触れた内容についてはこちらも参照ください。
画像出典:http://nursing-care.org/index.html
1 在宅介護における睡眠とは
1−1 睡眠をする意味
睡眠とはどういうものなのかなんて普段はあまり考えませんよね?
「1日働いて疲れたから眠くなる…」「今日は嫌なことがあってそれを考えてたら眠れなくて…」なんてこと、本当によくあります。
そもそも睡眠というものが人の体や心にどう影響するのでしょうか?
例えば「生活」という大きな括りがあるとします。
人の生活は「活動」と「睡眠」を繰り返すリズムとなっています。
「朝起きて食事をする」「会社まで電車で行く」「帰ってきてお風呂に入る」
これらは全て「活動」に分類されます。
例えば休みの日にドライブをしたり、仕事の帰りに少し寄り道をして帰ってくるのも「活動」ですよね。
これらのことで蓄積された疲れなどをリセットしてまた次の活動に向かうために「睡眠」があります。
日中に適度な活動をすることで自然に睡眠ができます。
適度に睡眠をとることで体を健康に保てるので生活リズムも作れて毎日を充実させることができます。
1−2 介護生活における睡眠の注意点
在宅介護には高齢者の睡眠を管理するのも必要になります。
入浴や食事と大きく違って1日の生活の締めのようなものですので睡眠に至るまでの過ごし方なども考えなくてはいけません。
ここでは主に抑えておきたい睡眠に関する注意点をご紹介します。
まずは日中に注意するポイントです。
- 外出をして日光を浴びる
- あまりゴロゴロして過ごさず適度に運動をする
- なるべくカフェインを摂らない
- 昼寝は3時間程度の短時間で済ませる
- 薬などを服用して睡眠のリズムが昼と夜で反対にならないようにする
続いて就寝前と就寝中に注意するポイントです。
- 寝室は快適と感じる室温や明るさに
- 足湯やリラックスできる音楽を聴かせてあげる
- 汗を吸収しやすいシーツやパジャマを使う
- なるべく寝る直前に食事はしない
- 夜中の排泄に備えてライトなどを準備しておく
主にこのようなことが挙げられます。
健康な方もこのようなことに気をつけている方が多いですよね。
高齢者は自身でこれらを管理するのが難しいので介護者が自分のことのように寄り添って考えてあげましょう!
2 ベッド上での介助
これまで何度かご紹介してきた介護用ベッドが高齢者の睡眠にどう関わってくるのでしょうか?
以前も触れていますが介護度や体の状態ごとにリクライニングの角度や高さ調節などの機能を選びます。
それぞれの体調や希望に合わせて選ぶことで快適な睡眠をとることができます。
ここまでは今までも触れてきましたので、今回は更にベッド上での睡眠の介助についてご紹介します。
2−1 移動
ここではベッド上での移動に関する注意点についてご紹介します。
- 両膝を立てる
- ベッドの上の方に移動させる場合は顎と肩甲骨をしっかり支えてあげる
- 左右への移動は頭と肩→腰の順に移動
- なるべく無理に持ち上げたりせずベッド上を滑らせてあげたり回してあげる
- 動いた時に摩擦が生じやすいのでできるだけシーツのシワをとる
- できるだけ介護者が近づいた状態で介助する
- 高齢者の体を引っ張るのではなく押してあげる
主にこちらが挙げられます。
また、高齢者の位置や高さに合わせることで介護者本人の体の負担も軽減できますよ!
2−2 体勢
ここではベッド上での体勢についてご紹介します。
まずは「寝返り」です。
寝返りとはどのように行われるものなのか、その順序を挙げていきます。
- 寝返る方向に顔を向ける
- 肩や肘を動かす
- 膝の関節を曲げる
- 寝返りの方向と逆に腰をひねる
- 肩を回す
- 腰を後ろに引く
寝返りはこのような順番で行われます。
これらを高齢者がどれだけできるのが、どこができないのかを介護者が把握することが大切になってきます。
続いて、寝ている時間が長くなってしまう方に起こりがちな事象をご紹介します。
- 筋肉が痩せて弱ってしまう
- 関節が動きにくくなる
- 骨がもろくなって折れやすくなる
- 体力が低下して息切れしやすくなる
- 皮膚の血液の循環が悪くなってしまう
- 便秘や膀胱炎になりやすくなる
寝たまま長時間過ごしてばかりいると以上のようなことが起こってしまうので、時々起き上がって座るということが大切になってきます。
寝たからといって起きるまで放っておくのではなく、適度に見に行って体勢も整えて挙げましょう。
おまけ
最後にベッド以外で必要な寝具について選ぶ際のポイントなども合わせてご紹介します。
- シーツ→選択のしやすいものや吸湿性のあるもの、マットをしっかり包めるものを選びましょう
- 枕→肩幅よりもプラス20〜30センチほどの幅のものであれば頭が落ちにくい
- 枕カバー→枕の大きさよりも若干の余裕があるものが良い
- 毛布→暖かさはもちろん、首元と足元をしっかり温められる長さと幅があるものを選びましょう
- かけ布団→できるだけ軽いものが良い
- マット→柔らかいと姿勢が崩れやすいので硬めのものがオススメ
こちらもベッドと同じように様々なものがあるので体調や好みに合わせて選んであげましょう!
まとめ
今回は在宅介護における睡眠と介護用ベッドの関わりについてご紹介しました。
1日の過ごし方や習慣などと直結してくるので普段の生活をしっかり見守りながら快適な睡眠を毎日摂れるようにサポートしてあげたいですね!
介護生活での毎日の睡眠に悩んでいる方に少しでも力をおき足できていれば幸いです。
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