高齢化社会が加速している現代で、介護の需要も急速に高まってきています。
老人ホームや介護タクシーなど、需要に合わせたサービスもかなり充実してきました。
介護に対する考え方も人それぞれで、例えば自宅で介護をしたいという方もいれば施設での介護を希望するという方もいます。
また、入浴や食事などピンポイントで介護をして欲しいという場合もあれば、介護用品について知りたいという声など本当に多種多様です。
高齢者の状態によってさまざまな希望や課題が溢れている中で、介護に関する問題も数多くあります。
今回は、介護という大きなくくりの中で発生している主な「介護問題」について紹介していきましょう!
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目次
1 介護問題にはどのようなものがあるのか?

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介護問題といっても様々なものがあります。
施設に入っている時に起こる問題や生活自体に関わってくる問題、高齢者という大きなカテゴリに関する問題など、知っておかなければならないことは多くあります。
ここでは、主に挙げられている介護問題をいくつかリストアップしていきたいと思います。
主に、
- 一人暮らしの高齢者の増加
- 介護離職
- 介護難民
- 老老介護
- 認認介護
- 介護事故
- 高齢者とのトラブル
- 高齢者ドライバーの増加
これらが介護問題として挙げられていることが多いです。
では、これらは一体どのようなものなのでしょうか?
次からの節でそれぞれご紹介していきましょう!!
2 一人暮らしの高齢者の増加

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2-1 背景
一人暮らしの高齢者の増加に大きく関わってくるのがやはり少子高齢化による影響でしょう。
高齢者の数は年々増加しており、2025年には国民の3人に1人が高齢者になるとまで言われています。
では、なぜ全体的な割合の増加とともに、一人暮らしの高齢者も増えているのでしょうか?
主に挙げられている原因としては、家族と別居しており、いざという時に頼れる環境でないということです。
経済状況や心理的にも一緒に暮らす必要がないと考えている高齢者も多く、結果的に一人暮らしの高齢者の増加のきっかけになっているのです。
また、夫婦2人で生活していて、パートナーが先立ってしまいそのまま一人暮らしになってしまうといったパターンもあります。
こうなった時に、周りに頼れる家族がいない、現状に不満がないといったところにも繋がってきます。
高齢者自身の医師はもちろん、取り巻く環境で止むを得ず一人暮らしになってしまうといった背景が見えてきますね。
2-2 一人暮らしの高齢者が増加するとどうなる?
では、一人暮らしの高齢者が増加するとどういったことが起こりうるのでしょうか?
大きく挙げられている問題としては「認知症の進行」と「孤独死」です。
認知症にはもちろんケアが必要ですが、一人暮らしだとそれも思うようにいかず結果として認知症の進行に繋がってしまいます。
また、ずっと一人で暮らしていて周りとの関わりがなくなってしまうと亡くなってしまった時に誰にも気付いてもらえず、孤独死という最悪の結果を招いてしまうことになってしまいます。
そういったことを防ぐために、できるだけ一緒に暮らしてあげるのが良いでしょう!
3 介護離職

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3-1 介護離職とは?
介護離職とは、介護に時間を使うために介助者が現在勤めている職場から離れることをいいます。
高齢者に直接関わることというよりは介護をする家族などに関わってくる問題です。
これによって家庭内の収入が減少してしまい生活が困難になるだけでなく、仕事をしていないことに対する精神的不安から介護うつになってしまう場合があります。
3-2 対策
介護離職の対策として挙げられているのが、
- 介護休暇
- 介護休業
- 介護給付金
- 残業時間や勤務地などの配慮
- 助成金
などがあります。
厚生労働省が定めているもので、介護離職の対策というよりは離職後の生活への対策になってきますね。
4 介護難民

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4-1 介護難民とは?
先ほどから触れている高齢者が増加するのに対し、介護を行う場や介助者の人口が少ないことによって十分な介護を受けられない人口が増えていることを介護難民といいます。
また、介護施設での人員が思うように確保できず、十分なサービスを提供することが困難な現状も原因のひとつとして挙げられています。
介護難民を防ぐために家族が身を切り介護に専念し、先ほどの介護離職にも繋がってしまうという悪循環も生んでしまうので非常に厄介な問題です。
4-2 対策
介護難民を防ぐためには、何よりも資金を蓄えておくことがもっとも良いとされています。
十分な資金があればサービスの充実した施設に入居できる可能性も高くなりますし、万が一介護離職になっても生活に不安がない程度の資金があればしばらくは介護に専念できます。
また、そもそも介護自体が必要にならないように事前に介護予防の体操を習慣付けておいたりすることも介護難民対策に非常に効果的ですよ!
5 老老介護

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5-1 老老介護とは?
いわゆる高齢者が高齢者の介護をしていることを老老介護といいます。
高齢者の夫婦で生活をしていて、身の回りに介護をしてくれる方がいない場合に起こってしまうものです。
介護をするのも高齢者になるので介護側の体調面での問題や精神的なストレスから虐待などに発展し、最後には共倒れになってしまうといった問題があります。
5-2 対策
対策としては、やはり家族がそばにいてあげることが一番良いでしょう。
介護施設などのサービスを有効活用するのももちろん効果的ですし、在宅介護をしながら利用できるサービスを選択するのも効果的です!
一緒に暮らすことが難しければ、親戚間でやりとりし、当番制のような形にして定期的に高齢者のケアに赴いてあげるのも良いですね!
6 認認介護

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6-1 認認介護とは?
老老介護のひとつで、認知症の高齢者同士での介護のことを認認介護といいます。
問題手として挙げられているのは、介護をする方も認知症なので入浴や食事、排泄の処理などをしっかり行っていたかどうかを把握しきれないということがあります。
また、詐欺のターゲットのなってしまったり、火の不始末で火事になってしまうなどといった問題も重要視されています。
6-2 対策
対策としては、家族にサポートやサービスの有効活用など、老老介護同様のものになってきます。
またそのほかにも、認知症の種類ごとの対策や、認知症自体を予防するために事前に対策を打っておくことも効果的ですね。
認知症の専門的な知識も必要になってきてしまうので定期的に医師に見てもらい、その時その時に必要なケアについて教えてもらう方が介助側の負担も少し減るかもしれませんね!
7 介護事故

画像出典:https://kaigosupporters.com/care/accident/
7-1 主にどのようなものがあるか
介護事故と一言でいっても色々あり、
- 転倒事故
- 転落事故
- 誤嚥事故
- 誤飲事故
- 傷をつけてしまう
- 骨折させてしまう
- 食中毒になってしまう
- 感染症にかかってしまう
などといったことが主に介護事故と言われています。
7-2 介護事故が起こりやすいのはどんな時か
では続いて、これらの介護事故が起こりやすいシチュエーションをいくつかリストアップしておきましょう。
転倒、転落事故に関しては、
- 入浴時
- 車椅子での移動
- ベッドから車椅子の移乗、またはその逆
などが多いです。
誤嚥、誤飲事故は、食事の介助時に発生し、食中毒や感染症などは食材の管理が不十分だった場合などや予防接種などの対策が取られていなかった場合に多くなります。
また、おむつを替えている時に誤って皮膚を引っ掻いて怪我をさせてしまったり、無理な体勢を取らせて骨折させてしまうといった事故も発生しがちです。
8 高齢者とのトラブル

画像出典:https://kakomonn.com/keamane/lesson/592/
ここまで挙げてきた介護問題と合わせて、私たちと高齢者の関わり方に密接に関わってくるトラブルも発生しがちです。
では、主にどのようなものがあるのか挙げていきましょう。
高齢者との間で発生しがちなトラブルとして挙げられるのが、
- 高齢者の虐待
- ケアマネージャーとの認識のすれ違い
- 看取りや終末期に関する意見
- 介護施設への入居待ち
- 入居後の施設内での人間関係
などがあります。
人間同士なので意見のすれ違いやミスなどはもちろん発生してしまいますが、高齢者の安全や安定のためにグッと堪えなくてはいけないことも多くなってしまいます。
9 高齢者ドライバーの増加

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高齢化社会に伴って高齢者のドライバーも増えてきています。
介護問題とは少し異なってくるものにはなりますが、高齢者の増加と比例して増えていく高齢者ドライバーに関する問題も多くなっています。
どういうことが起こるかというと、高齢になっていくにつれ注意力や判断力など、体の機能は若かった頃よりも衰えてしまいます。
それにも関わらず「慣れているから」という理由で運転してしまい、結果的に事故を起こしてしまうというケースもあります。
また、認知症患者が運転してしまって高速道路を逆走したりすることで発生する事故の例もあるように、認知症にも関わらず運転してしまう、またはさせてしまうことで事故に繋がってしまいます。
老後の楽しみのために車は持っておきたい、と考えている高齢者も多いとは思いますが、少しでも自信がない場合には免許の返納も考えておいた方が良いかもしれませんね…。
まとめ

画像出典:http://xn--68j2b1i5cuev201afdf233aftlvn0e.net/impact.html
今回は、介護をする上でどうしても避けて通ることができない様々な介護問題について触れてきましたがいかがでしたでしょうか?
これまでの内容を振り返ってみるとどうしても介護をする側の負担が大きくなってしまうように感じます。
ですが、介護が必要な状態になって辛いのは他でもない高齢者本人です。
今まで当たり前にできていたことが思うようにできなくなってしまうのですから、高齢者にかかる精神的な負担も大きいものになります。
そんな中で介護側とのすれ違いがあったら当然トラブルにも繋がってしまいます。
私たちにできることというと、高齢者の安全を守るための行動はもちろんのこと、介護側にかかる負担も最小限に抑えられるよう最適な方法を家族や身の回りの人と作り上げていくことではないでしょうか?
人と人との関わりなのでテンプレートもありませんし、絶対と言い切れる正解もありません。
当事者同士でしっかり話し合い、それぞれに適した向き合い方を検討していきましょう!
今回お伝えした内容が介護に関する問題について知るきっかけになるとともに、今後の介護との向き合い方を考えるきっかけになることができたら幸いです。
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