これまでは在宅介護をする上で必要なことを主に伝えてきました。
今回はそれよりも前のステップ、「介護予防」にスポットを当ててみましょう!
当然ながら、介護が必要にならないのが一番いいですよね?
ですが高齢者を抱える家庭には介護生活は遅かれ早かれ訪れてきてしまいます。
それでも介護予防について理解していれば少しでも介護から遠ざけることができるかもしれません。
そこで今回は介護予防とは何なのか?
また、予防には何が効果的なのか?をご紹介していきます!
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目次
- 1 介護予防とは
- 1−1 目的と考え方
- 1−2 具体例
- 2 介護予防サービス
- 2-1 訪問型サービス
- 2-2 通所型サービスと入所型サービス
- 3 介護予防プログラム
- 4 介護予防の運動・体操
- 4−1 運動
- 4−2 体操
- 5 ストレッチの手順を動画でご紹介
- 5-1 首のストレッチで介護予防/生活科学運営
- 5-2 手首のストレッチで介護予防/生活科学運営
- 5−3 胸の開閉・手首の捻り介護予防体操/生活科学運営
- 5−4 肩を交互に上げる介護予防体操/生活科学運営
- 5−5 腿のトレーニングで介護予防/生活科学運営
- 5−6 国民健保体操【水戸黄門】
- 5−7 介護予防の体操〜健保体操(けんぽたいそう)で元気に歩きましょう〜
- 5-8 【リハビリ体操】〜椅子に座っての肩の運動〜【介護予防】
- 5-9 天の川体操 介護予防バージョン
- 5-10 介護予防ラジオ体操
- まとめ
1 介護予防とは

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1−1 目的と考え方
介護予防には2つの目的があります。
1つは高齢者が介護状態になってしまうのを防ぐことです。
そしてもう1つは介護状態になってしまってもそれ以上悪化しないようにすることです。
これまでは心体の改善による訓練などが主流でしたが、昨今は自己実現を目的とした考え方の変わってきています。
介護予防事業による社会参加の取り組みの促進が不十分だったこともあり、これからの介護予防の考え方として以下のものがあります。
- 機能面での高齢者へのアプローチと高齢者の地域活動などの環境へのアプローチをすることで生きがいや役割を持って生活できる地域の実現を目指す
- 高齢者を支援サービスの担い手と捉えることにより支援のニーズに応えると共に担い手にとっても新たな役割を持つことで介護予防につながる
- 住民の運営する地域活動を展開し、人と人のつながりを通じて参加者や活動場所が広がっていくような地域づくりを促進する
これらの考え方から地域の特徴や高齢者のニーズをしっかりと理解することが介護予防につながっていくことが分かりますね。
1−2 具体例
それでは主に挙げられる地域に応じたサービス例をご紹介します。
- 訪問型・通所型サービス→ボランティアによる住民のゴミ出しのサービスやNPO運営のデイサービスなどを行う
- リハビリの専門職を活かして介護予防の機能強化→訪問と通所に一貫して専門職員が関わることで生活環境に合わせた訓練方法を提供する
- 住民運営の通いの場の充実→高齢者が地域活動の指導役などを担うことで役割や生きがいを持つことにつながる
- 社会参加を通じた介護予防の促進→定年後の社会参加の支援などを通じて社会的役割や自己実現を果たすことにより介護予防につながる
2 介護予防サービス

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例えば訪問介護や介護タクシーといった「介護サービス」についてはご存知の方は多いかもしれません。
実は「介護予防サービス」というものもあるのです。
介護が必要になる前に事前に受けておくことで介護予防に繋がるものなので具体的にどんなサービスがあるのか見ていきましょう!
2-1 訪問型サービス
いわゆる訪問介護のように、自宅に専門スタッフが訪問する形で介護予防に関するサービスが受けられるもので、主に以下の5つがあります。
- 介護予防訪問介護…身の回りの基本的なことは自分でできるが若干の不安がある方向けのサービス
- 介護予防訪問入浴介護…一人で入浴するのに不安がある方を対象に介助を行ってくれるサービス
- 介護予防訪問看護…点滴などの医療行為を自宅で受けられるサービス
- 介護予防訪問リハビリテーション…運動機能の維持や向上を目的としたサービス
- 介護予防居宅療法管理指導…高齢者の口内の健康維持のためのサービスや、栄養管理などの指導も行っているサービス
2-2 通所型サービスと入所型サービス
通所型は自宅ではなく施設に通いながら介護予防のサービスを受けられるものです。
「介護予防通所介護」と言われるもので、予防や現状維持を目的としたというデイサービスにあたるもの、医師の指導のもとデイケアのようにリハビリを受けることができるものがあります。
また、短期間施設に入所して行う入所型のサービスもあります。
デイサービスの入所型のような「介護予防短期入所生活介護」と「介護予防短期入所両要介護」というデイケアの入所型サービスがあります。
短期での入所ですのでショートステイのような考えが近いかもしれませんね。
これらのサービスについて触れた内容も合わせてご紹介しますので参考にして見てください。
3 介護予防プログラム

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ここでは介護予防についてのプログラムについてご紹介します。
どのようなものがあるのでしょうか?
ご紹介していきましょう!
- 運動器の機能向上マニュアル→有酸素運動、ストレッチなどの運動を実施し、運動機能を向上させる支援を行うもの
- 栄養改善マニュアル→栄養相談や栄養教育を実施し、低栄養状態の改善を支援するためのもの
- 口腔機能向上マニュアル→摂食・嚥下機能訓練や口腔清掃の自立支援を実施し、口腔機能を向上させるためのもの
- 複合プログラム実施マニュアル→「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能向上」を一体的に行うもの
- 閉じこもり予防・支援マニュアル→身体的要因や心理的要因による閉じこもり対策に「運動器の機能向上」「栄養改善」「口腔機能向上」「複合プログラム実施」への参加を促して活動性を高めることを基本とするもの
- 認知機能低下予防・支援マニュアル→認知機能低下の予防に継続的なウォーキングや運動プログラムを行うもの
- うつ病・支援マニュアル→強いストレス状態やうつ傾向にある高齢者に対し、専門職員が言葉かけや見守りなどのアプローチを行うもの
4 介護予防の運動・体操

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それでは実際に介護予防に効果的な運動や体操などを簡単にご紹介します。
4−1 運動
代表的な予防運動に、健康的に歩き続けることを目的とした「健歩体操」というものがあります。
「ホップ」「ステップ」「ジャンプ」の三段階の運動に分けて行っていくもので、それによって徐々に鳴らしていくことができます。
運動が苦手な方や歩き続けることが苦手な方でも取り組めるようになっています。
それでは段階ごとの特徴をご紹介します。
- ホップ→運動に慣れるためのもので、血液の流れを良くする運動や座ってできるストレッチが主になるので安全です。普段の散歩の中で行える歩行トレーニングなどもあります。
- ステップ→筋肉をつけることを目的としています。歩くことがスムーズになる筋肉を重点的に鍛えるのが良いです。負荷もかかるようになるので体調と相談しながら行いましょう。
- ジャンプ→ホップ、ステップで培った運動能力を活かしながら日常生活用の歩行トレーニングや転倒防止のトレーニングを行います。使わなければ筋肉は衰えていくので無理のない程度に継続していくことが大切です。
健歩体操の他にも様々な介護予防に有効な運動がありますが、いずれも共通しているのは無理をしないことです。
本人の体調に気を配りながら楽しみながら運動ができるようにしてあげたいですね!
4−2 体操
続いて椅子を使って誰でもできる簡単な介護予防の体操の手順をご紹介します。
- まずは深呼吸。胸を張って息を吸い、背中を丸めながら息を吐きます。
- 首を前後左右に書く5秒間倒し、2~3回左右に回します。
- 肩を首にくっつけるように上げ、力を抜いてストンと落とす動作を10回ほど繰り返します。
- 腕を十字に組み、内側にくる腕を伸ばしながら胸に押し付ける動作を左右で5秒間ずつ、2回行います。
- 両肩を前後に5回ずつ回します。
- 椅子の背もたれを掴んで体を左右に5秒間ずつ捻ります。
- 両手を組んで腕を伸ばしながら5秒間倒れこみ、後ろに仰け反る動作を2回ずつ行います。
- 両手をぐるぐる回した後、ぶらぶらさせます。
- 片腕ずつ伸ばしながらグーパーの運動をして終了です。
これだけだと少し分かりづらいのでいくつか介護予防の体操の動画をご紹介します。
動画では腕や首だけでなく脚のストレッチなども紹介してくれています。
ご紹介した手順や動画を参考に無理なくやってみてくださいね!
5 ストレッチの手順を動画でご紹介

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それでは、実際にストレッチをしている動画をいくつかご紹介します!
5-1 首のストレッチで介護予防/生活科学運営
動画出典:http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/
5-2 手首のストレッチで介護予防/生活科学運営
動画出典:http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/
5−3 胸の開閉・手首の捻り介護予防体操/生活科学運営
動画出典:http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/
5−4 肩を交互に上げる介護予防体操/生活科学運営
動画出典:http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/
5−5 腿のトレーニングで介護予防/生活科学運営
動画出典:http://www.seikatsu-kagaku.co.jp/
5−6 国民健保体操【水戸黄門】
動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=fsyutrMkXBM
5−7 介護予防の体操〜健保体操(けんぽたいそう)で元気に歩きましょう〜
動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=HRawp9RrpYM
5-8 【リハビリ体操】〜椅子に座っての肩の運動〜【介護予防】
動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=CYey8KQkVXg
5-9 天の川体操 介護予防バージョン
動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=R5gAMM-BIN4
5-10 介護予防ラジオ体操
動画出典:https://www.youtube.com/watch?v=Y6ZsyFpsnEg
まとめ

画像出典:http://free-photos.gatag.net/
今回は介護予防についてご紹介しました。
地域サービスや運動方法など予防の対策になるものはたくさんある中で、全てに共通していることは「1人ではできない」ということです。
月並みな言葉にはなりますがやはり家族や友人、地域による協力があってこその介護生活です。
それは介護予防にも当然関わってきます。
例えば生きがいづくりや運動など、楽しみながら行えることは毎日を充実させることができますから、介護予防に繋がる場合もあります。
また、認知症などの高齢者と関わりの深い病気などについてあらかじめ知っておくことも予防策として大切です。
最後に、介護予防にも繋がるこれらのことについて触れた内容も合わせて掲載しておきますのでこちらも是非ご覧ください!
- 「高齢者の充実のためのレクリエーションにはどんなものがあるの?」
- 「もっと知りたい!意外と知らないリハビリのあれこれ」
- 「認知症って何?必ず知っておきたいもしもの時の対策や症状、相談先など」
- 「高齢者にとっての生きがいとは?生活や欲求との繋がり」
今回ご紹介した内容で介護予防や介護状態の進行の対策をお考えの方に協力できれば幸いです!
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