「介護って何をしていいかわからない…」
「知識がないからとっても不安…」
「家族が今どんな介護を必要としているのかな…」
「必要な手続きについて知りたいな…」
介護は専門的な知識がないと、確かに不安でしかありませんよね…。
しかし、大切な家族です。
当然放っておくわけにはいかないし、でもどうすれば?
そんな考えがグルグル回ってしまってもうどうしたらいいの!
なんて思う前に!
介護を必要とする方をサポートしてくれる「居宅介護支援」というサービスを利用しましょう!
そもそもどういうものなのか?
どんなサービスなのか?
今回は居宅介護支援についてご紹介していきます!
画像出典:http://nursing-care.org/index.html
目次
1 居宅介護支援(ケアマネジメント)とは?
ここではまず居宅介護支援とはどのようなものなのかご紹介していきます。
居宅介護支援とは、介護を必要とする高齢者が、安心して自立へ向けた適切なサービスが受けられるためのものです。
要介護1〜5までの65歳以上の方が利用対象者となります。
また、介護保険の対象となるため利用料金の負担が一切発生しません。
ケアマネージャーと呼ばれる介護支援の専門員が高齢者やご家族の要望を受けてケアプランを作成する他、介護に関する相談を請け負ったり、各種保険の手続きの代行なども行なってくれます。
介護が必要になる際には、まず居宅介護支援サービスを行っている事業所とコンタクトをとるところからスタートし、利用したいプランや要望などを話し合っていきましょう!
2 居宅介護支援事業所
居宅介護支援サービスを提供する事業所というのも当然あり、利用には事業所とのコンタクトが必要となります。
ここでは「居宅介護支援事業所」とはどのようなものなのかをご紹介します。
居宅介護支援事業所とは、要介護1〜5までの要介護認定を受けた高齢者に適切なサービスを提供してくれるケアマネージャーが所属しているところをいいます。
担当のケアマネージャーを決定するのもこの事業所で行われます。
利用をお考えの方はまずはお住まいの市町村区の窓口や地域包括支援センターに問い合わせてみましょう!
それでは、居宅介護支援のサービスについてご紹介…
その前に!
これまでも度々出てきた「ケアマネージャー」「ケアプラン」とは何なのかをまずご紹介してからサービスの利用についてご紹介していくことにしましょう!
3 ケアマネージャー
3-1 ケアマネージャーとは?
「ケアマネージャー」とはどういった資格なのでしょうか?
「介護支援専門員」という正式名称があり、「介護保険制度」が導入された2000年より発足した資格です。
居宅介護支援には欠かせない存在であり、事業所が提供してくれるサービスもほとんどがこのケアマネージャーを介して行われます。
3-2 サービス内容
ケアマネージャーがしてくれるサービスは主に、
- 高齢者宅の訪問、書類作成の代行など要介護認定関連
- それぞれに合わせたケアプランの作成
- 給付金の管理業務
- 介護関連の相談
などがあります。
とは言っても、ケアマネージャーごとに得意分野が異なりますので、自身の環境に適した得意分野を持っているケアマネージャーを事前に紹介してもらうことが大切です。
また、ケアマネージャーはホームヘルパーが行う身体介護や生活介護はできませんのでご注意ください!
4 ケアプラン
4-1 ケアプランとは?
続いて「ケアプラン」についてご紹介します。
高齢者の要望や現在の状況などに基づいて今後どうやって過ごしていくか目標を設定し、その目標に対してどのようなサービスを利用していくか?ということを決めるスケジュール表のようなものが「ケアプラン」です。
介護保険のサービスを利用するのに必要で、要介護認定を受けた状態でケアマネージャーと共に作成をしていきます。
4-2 ケアプランの作成
それでは、ケアプランがどう作られていくのか、その流れを順に追っていきましょう。
まず始めに、ケアマネージャーと高齢者、家族と共に現在の状況や要望をすり合わせ、実際にどのようなサービスが必要なのかを判断し今後の目標を設定します。
その内容から暫定的な原案が作成され、ケアマネージャーとその所属事業所が開始を行い、原案について検討が行われます。
そして会議を経て立案されたプランを高齢者本人と家族と最終確認をし、同意すればケアプランの作成が正式に完了します。
5 サービスについて
5-1 利用までの流れ
それでは、いよいよ居宅介護支援のサービスについてご紹介します!
サービスが行われるまでは主に以下のような流れになります。
- お住まいの市町村区の窓口や地域包括支援センターから居宅介護支援事業所の情報をもらう(この時にどんな要望があるかをあらかじめ伝えておくといいかも)
- 紹介された事業所に問い合わせをする
- 自宅でケアマネージャーと利用プランについて話し合いをする
- その内容を基にケアプランを作成してもらう
ここまでが主な流れになります。
5-2 サービス内容
続いて、居宅介護支援で受けられるサービスにはどのようなものがあるかをご紹介していきます。
先ほどもご紹介したケアプランの作成の他に、
- 要介護認定の更新手続きの代行
- 介護保険の給付管理
- 介護全般についての相談
などがあります。
要介護認定の更新手続きと介護保険の給付管理は、実際にはケアマネージャーが代行してくれますが、念のためこれらがどのような手順で行われるかも知っておいて損はありません!
次からの節で、これらの3つのサービスについて触れていきましょう!
6 要介護認定の更新手続き
要介護認定は原則6ヶ月〜12ヶ月間ごとに見直す必要があり、満了日の60日前から更新することが可能です。(24ヶ月まで延長可能な場合もあり)
更新の流れとしては、まず介護保険と医療保険の保険証、診察券、認印を用意します。
ケアマネージャーにお願いする場合は代行印も必要です。
その後市町村区の窓口に事情を説明し、要介護認定の更新を請け負ってくれる窓口を紹介してもらいます。
基本的に短期間での介護度の変更があまりない為、更新の期間が来てもそのまま、ということも多いですがいつ容体が変化して更新が必要になるかわかりません。
その場合は有効期間の中でも更新手続きが可能です。
とは言っても急な更新手続きが発生となれば当然慌ただしくなりますよね。
ましてやご家族の体調の事ですからなかなか冷静になれないかもしれません。
窓口に行って更新する時間自体が取れないなんてこともあるでしょう。
そんな時にケアマネージャーがこれらの手続きを代行してくれたら負担がグッと減りますよね!
任せちゃいましょう!
その為の、居宅介護支援サービスなのです!
7 介護保険の給付管理
続いて介護保険の給付管理についてご紹介します。
介護保険の利用時、サービスを提供する事業所が「国民保険団体連合会」という所に介護給付費を請求します。
その際、国民保険連合団体が給付を事業所に行う為に審査をするのです。
その審査に必要なものがケアマネージャーが用意する書類ということになります。
審査に必要な書類を準備する手順は、
- 高齢者が利用する介護保険の利用予定を作成する
- サービスを提供する事業所とすり合わせして調節を行う
- 実際の利用内容を確認する
- 国民保険連合団体へ書類を送付する
という流れになります。
介護保険の給付管理業務とは、この作業を行うことをいいます。
こちらもケアマネージャーが行なってくれますが、念の為大まかな流れだけ把握しておくと良いでしょう。
8 介護全般についての相談
ケアマネージャーには様々な手続きの代行をお願いするだけではなく、介護について不安なことやわからないことなど、何でも無料で相談することができます。
例えば、介護と家事との両立への不安や、先ほどご紹介した要介護認定のについての現状や今後についてなど、普段の生活で馴染んで来れない故に当然不安だらけでしょう。
さらに言えば、今後利用を考えている施設についてや介護をサポートしてくれる用品についてなども相談に乗ってくれるので不安が多少は解消できるでしょう。
不安を抱えたまま過ごさず相談というかたちでサポートをしてくれるケアマネージャーとはいい関係を築きたいものですね!
さて、というわけで次の節ではケアマネージャーと良好な関係を築けるように、信頼できるケアマネージャーの選び方について触れてみましょう!
9 ケアマネージャーの選び方
ここでは、ケアマネージャーを選ぶ時のポイントについて触れていきます。
例として、以下のようなポイントがあります。
- 介護に役立つ資格の保有数はどれくらいか
- 悩みや相談などをしっかり聞いてくれるか
- 事業所とのやりとりをスムーズに仲介してくれるか
- アイディアや情報量が豊富か
- 万が一の場合にすぐ対処してくれるフットワークがあるか
- ケアマネージャーを変更したいという要望に対しても柔軟か
などなど、それぞれの要望なども合わせればまだ沢山ありそうですね!
ケアマネージャーは言わば、介護生活においてのパートナーになってくれる存在です。
ですが、自身の介護に対する要望とケアマネージャーの得意分野が合わなかったり、人として合う合わないも当然出て来ますよね。
ここでご紹介するいくつかのポイントを基に、ケアマネージャーを選ぶ時の参考にしてみてください!
ここまではケアマネージャーが主に行ってくれるサービスでしたが、次からは居宅介護支援事業所とホームヘルパーが提供してくれるサービスについてご紹介します!
10 通所介護サービス(デイサービス)
在宅で介護をしているとどうしても外とのコミュニケーションが少なくなってしまいます。
そんな時に利用するのが「通所介護サービス」です。
「デイサービス」とも呼ばれ、名前の通りに日帰りで利用する施設となります。
介護をする家族が時間を作りたい場合などにも利用ができますよ!
朝と夕方に自宅と施設間の送迎があり、施設内での入浴やレクリエーションなどをして半日過ごせる施設で、要介護1〜5までの方が利用対象となっています。
利用にかかる費用は施設によって異なるので、主な利用料金の計算式をご紹介しておきますね!
サービス費用+食費+その他=1日の利用料金
主にこのようになります。
サービス費用の部分は介護度ごとの料金と合わせて施設の規模や利用する時間などによって変動します。
利用までの流れは、ケアマネージャーに利用の相談をし、いくつかの施設を見学に行きます。
見学後、それぞれの施設を比較して利用したい施設を決定します。
その後ケアプランを作成してもらい、サービスを提供する事業所と契約をして利用開始となります。
11 短期入所介護サービス(ショートステイ)
高齢者の介護をする家族が仕事の都合や冠婚葬祭などで短期的に家を開けなければならない時に利用できるサービスです。
また、介護者自身の体調不良や旅行などの場合にも対応してくれます!
こちらも要介護1〜5までの要介護認定を受けていれば利用対象となります。
要介護認定期間の半数まで利用可能で、連続で利用できるのは最大30日までとなっています。
こちらも利用料金は施設ごとに異なりますので、計算式をご紹介しておきますね!
サービス費用+食費+宿泊費+その他費用=1日の利用料金
通所介護と異なり、宿泊費がプラスされます。
利用する流れとしては、まずケアマネージャーに利用について相談をします。
その後、ケアマネージャーがサービスを提供してくれる事業所に連絡を取ります。
連絡後、利用の可否が出次第、事業所とケアマネージャーとでケアプランを作成して利用開始となります。
12 小規模多機能型居宅介護
「複合型サービス」とも呼ばれるサービスで、通所介護をベースにして、必要に応じたタイミングで訪問介護と短期入所介護も受けられるというサービスです。
様々なサービスが一体型となっているので、
「これから在宅介護を始めるけどいきなりは少し不安だな…」
という方や、
「体調が不安定になりがちだけど在宅で介護をしたい」
といった方にオススメです。
体調や要望に応じて複合したサービスを受けられるので、住み慣れた街でより安心して過ごすことができますよ!
利用条件は先ほどの2種類と同様、要介護1〜5までの方が対象となっています。
利用料金も施設ごとに設定されており、主な計算式が
サービス費用+その他費用=ひと月の利用料金
先ほどまでと異なる点はひと月当たりの料金換算といったところですね。
また、こちらは地域密着型のサービスなので、お住まいの市町村での利用のみになりますのでご注意ください。
利用までの流れは、ケアマネージャーに利用の相談をした後ケアプランを作成してもらい、事業所と直接契約をして利用開始となります。
おまけ
以前これらのサービスについて触れた内容がありますのでご紹介しておきますね。
在宅介護について大まかに触れていますのでご参考までに!
また、これらのサービスの他に、以前もご紹介したことのある「訪問介護」も利用できます。
訪問介護についてご紹介した内容も合わせてご覧ください!
まとめ
いかがでしたか?
今回は居宅介護支援についてご紹介しました。
事業所とケアマネージャーとの連携がとても大切になるものなので、利用には慎重な下調べや準備が必要です。
しっかりと事前のすり合わせを行うことで安心できるケアプランも作成されるので大切な家族の為にも身につけておきたい知識ですね!
今回の内容が少しでも在宅介護をお考えの方や介護生活のお悩みの方のお手伝いをできれば幸いです。
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