高齢化社会の現代に於いて、介護というものが必要不可欠な時代になってきています。
「体が思うように動かなくなってしまった…。」
「病気で自由に出歩けなくなってしまった…。」
「家族の手助けだけでは心許ない…。」
高齢者は様々な理由で介護を必要としています。
そうなってしまった時に十分な知識や資格を持った専門職の方から介護のサービスを受けたい、と思いますよね?
ですが体調が崩れてしまったからといってすぐ介護サービスが受けられるわけではないのです。
そこで今回は介護サービスを受ける為に必要な要介護認定制度というものについてご紹介していきます!
画像出典:http://nursing-care.org/index.html
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目次
1 要介護認定とは何か?
ここでは要介護認定とは何なのか?という疑問について触れていきます。
要介護認定は介護保険制度でのサービスを受ける為の目安のようなものです。
介護保険制度では、サービスを受ける目安となる高齢者の2種類の状態があります。1つ目は日常生活のサポートが必要な状態の「要支援」。
2つ目は寝たきりになってしまったり認知症になってしまって、常に介護サービスが必要になった状態の「要介護」です。
高齢者がこの2つの状態であるかを判断し、どのような支援がどれぐらい必要になるかを検証し、7つのランクに分類することを要介護認定といいます。
要介護認定は主に以下のランクに分類されています。
- 要支援1
- 要支援2
- 要介護1
- 要介護2
- 要介護3
- 要介護4
- 要介護5
これらの分類がどのような意味を持つのでしょうか?
次からの項目で更に掘り下げていってみましょう!!
2 要支援とは?
要介護認定の分類の1つである「要支援」についてまずははご紹介していきます。
「要支援」とはどのような状態なのでしょうか?
これは、介護を受ける現状ではないものの、いずれ介護が必要になってくる可能性があるので支援を行っていこうという状態のことをいいます。
要支援認定を受けた高齢者は体の機能が衰えてしまわないよう機能維持の支援を受けられます。
これが以前も紹介したことのある「介護予防」です。
介護予防について触れた内容もご紹介しますのでこちらも合わせてご覧ください。
介護予防の支援を受けることで体が衰えていくスピードを緩やかにすることができます。
3 支援度の目安
それでは、主に2つに分類される支援度の目安についてご紹介します。
3-1 要支援1
こちらは、食事や排泄など基本的な日常生活の動作などは自分で行うことが可能ですが、立ち上がりの動作など一部に対しての介助が必要な状態のことをいいます。
これらを支援することで要介護状態への進行を少し抑えることができます。
3-2 要支援2
こちらは要支援1の状態と比較して、日常生活での動作の衰えの進行が少し進んでいて、より支援を必要とする状態のことをいいます。
4 要介護とは?
「要支援」が今後介護が必要になる状態であることに対して「要介護」は介護が必要になっている状態のことをいいます。
要介護の認定を受ければ施設での介護サービスや、訪問介護など自宅での介護サービスを受けられるようになります。
それでは、要介護状態の目安について次の項目で触れていきましょう。
5 介護度の目安
「要介護」は主に5つに分類されます。
5-1 要介護1
「生活の一部について部分的に介護を必要とする状態」です。
こちらは先ほどご紹介した「要支援」よりも更に日常生活を送る機能が衰えてしまった方が対象となります。
排泄や食事は自分で行えるが、掃除や整容、移動などに解除を必要とする状態です。
5-2 要介護2
「軽度の介護を必要とする状態」です。
「要介護1」よりも機能の低下が進行してしまっている状態です。
こちらは、掃除や整容など「要介護1」で必要とするサポートのほか、排泄や食事にも少し介助が必要になってきます。
5-3 要介護3
「中等度の介護を必要とする状態」です。
立ち上がったり歩いたりといったことが自力では難しくなり、これまでは普通にできていた身だしなみ、居室の掃除などといったことも困難になります。
そのため日常的な動作である排泄や食事、入浴といったすべてのことに介助が必要となります。
認知症の傾向も目立ち、理解力の低下も進行することで問題行動も目立ってきます。
5-4 要介護4
「重度の介護を必要とする状態」です。
この段階なってくると、ほとんどの動作に介助が必要です。
1、2と比べて機能の低下が著しく、認知症のような症状も目立ってきて全般的な介護が必要になってきます。
要介護4ですが、状態は多種多様で、状態にばらつきがあるのが、要介護4とも言えるかもしれません。
要介護4と判定された人の中には、
- 認知症が進んでいる方
- 認知症はないが、身体的に重度の障害を抱えている方
の2つに分かれる傾向があります。
行動能力の低下が目立つため、歩行や入浴、排泄、清潔・整容、衣服の脱ぎ着といった作業に全介助が必要となります。
5-5 要介護5
「最重度の介護を必要とする状態」です。
要介護5では、ほぼ寝たきりに近くなってしまい、介護なしでの生活は大変困難になってしまいます。
高齢者の状態とこれらのランクの特徴を照らし合わせて適正な状態を把握し、家族や担当のケアマネジャーと相談し受けられるサービスを決めていきましょう。
6 支援度、介護度ごとのサービスと支給額
介護度によって受けられるサービスと保険による支給額が異なります。
ここでは介護度ごとに受けられる主なサービスと毎月の支給額についてご紹介します。
サービス内容 | 毎月の支給額 | |
要支援1 | 週に1度の訪問介護、月に2度の施設への短期入所 | 50,030円 |
要支援2 | 週に2度の訪問介護、月に2度の施設への短期入所、杖などの用具の貸与 | 104,730円 |
要介護1 | 週に3度の訪問介護、週に1度の訪問看護、週に2度のデイサービス、3ヶ月内で一週間の施設への短期入所、杖などの用具の貸与 | 166,920円 |
要介護2 | 要介護1と同様のサービス内容 | 196,160円 |
要介護3 | 要介護1と同様のサービスと合わせて1日1回の夜間の訪問介護、2ヶ月内に一週間の施設への短期入所 | 269,310円 |
要介護4 | 週に6度の訪問介護、週に2度の訪問看護、週に3度のデイサービス、1日1回の夜間の訪問介護、2ヶ月内に一週間の施設への短期入所、用具の貸与 | 308,060円 |
要介護5 | 要介護4でのサービスと合わせて週に1度のデイサービス、毎日早朝と夜間の訪問介護、1ヶ月内に一週間の施設への短期入所、用具の貸与 | 360,650円 |
※支給額は限度額での表示となります
これらはあくまで目安となりますので、実際に受けられるサービスや支給額の掲示については市町村やケアマネジャーとのすり合わせが必要です。
また、介護度ごとに利用料金が変動するサービスとそうでないものもありますので合わせてご紹介します。
6-1 料金が変動するサービス
- 通所介護
- 短期入所
- 老人ホームなどの施設での介護
- 認知症に対応する介護
6-2 料金が変動しないサービス
- リハビリや入浴介助などを行う訪問介護
- 夜間の訪問介護
- 訪問看護
- 用具の貸与
- 居宅の改修
介護度ごとに異なるサービスは多様なので自身の環境と照らし合わせて内容を理解して認識することが大切です!
次章では要介護認定の申請の流れについてご紹介します。
7 要介護認定の申請
認定を受けるのに必要な項目以下のようになります。
- 電話などで自宅のある市町村の担当窓口へ相談する
- 本人か代理の家族が市町村への申請を行う
- 担当医から意見書をもらうか、訪問での調査を受ける
- 要介護度が決定される
- 申請から1ヶ月以内に認定結果が通知される
- 要支援か要介護かが認定されるか、介護が不要であるかが認定される
次からの項目でこれらを踏まえた申請の流れをご紹介していきましょう!
7−1 市町村への申請
まず必要なのが自宅のある市町村への申請です。
それでは、申請の流れをご紹介していきましょう!
- 市町村の窓口やホームページから申請書を入手し、保険証を用意
- 用意した申請書に個人情報や訪問調査の希望日程などの必要事項を記入する
- 自宅付近の介護保険の窓口か地域支援センターへ提出する(保険証や印鑑のご用意も忘れずに!)
- 認定されるのを待つ間は、介護保険資格者証を保険証の代わりに預かる
7−2 訪問調査
申請が完了してからは、次は自宅への訪問調査が入ります。
訪問調査は、体の状態や認知症の有無などの情報からどの程度の介護が必要なのかを判断するためのものです。
この時に担当医からの意見書も依頼されます。
認定書の申請の際に希望日程などのすり合わせを行い、調査が入る前に普段の高齢者の状態などをメモに残しておきましょう。
また、調査はできるだけ家族が同席して、普段の状態などを正確に伝えられるようにしておくと良いでしょう。
当日までの高齢者の体調管理も大切ですのでお忘れなく!
7−3 審査と認定
訪問調査までが終了した後に、介護が必要か不要かの審査、または介護度の審査が入ります。
その後審査結果に基づいた介護度の区分が通知され、認定となります。
先ほどもご紹介したように、介護度に応じてサービスも異なるので、もし審査結果に不満があった場合などは再審の申し込みも可能です。(結果が変わる可能性は高くありませんのでご注意を!)
およそ1ヶ月間の審査期間を終え、認定を受けることができた段階でサービスのプランなどをたてましょう!
ここまでが要介護認定までのおおよその流れになります!
ご参考になれば幸いです!
まとめ
いかがでしたか?
高齢化社会の現代で切ってもきれない介護というもの。
ただ必要だと思ったから受けられるのではなく要介護認定を行わなければ受けられません。
認定を受けるには自分たちだけでなく自分を取り巻く環境との密接なつながりがあります。
高齢者の状態に何か不安を感じた際はまず市町村や担当医、ケアマネジャーに相談して今後のプランを練って行くことが前提になりますね。
仮に認定が通らず介護が不要だと判断されても、今現在の高齢者の状態を把握して介護が不要のまま過ごしていけるように考えることができるので前向きになれますよね!
今回ご紹介した内容で「家庭内で介護についてのお話が出てきているな…。」という方々へのサポートができれば幸いです。
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