高齢化社会が進行し、介護の需要が急速に高まっていった現代の日本ですが、それに伴って様々な問題も浮き彫りになってきています。
例えば介護施設の入居待ちなどのサービスに関わるものや、介護離職や介護事故などの問題などいくつもありますね。
数ある介護問題の中でも、介護をする側とされる側のすれ違いなどの精神面が大きく関わってくるものがもっとも問題視されるのではないでしょうか?
そこで今回紹介するのは、介護の現場で起こっている高齢者の「虐待」についてです。
具体的にどういったものが起こっているのか?
虐待を防止するために知っておくべきことは何があるのか?
などなど、高齢者の虐待に関する内容についてお話ししていきます!
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目次
1 高齢者の虐待の傾向

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まず始めに、高齢者に対する虐待の傾向についてのお話をしていきましょう。
どういった現状になっているかというと、高齢者の虐待自体は残念ながら増加傾向にあります。
高齢者が増加しているのにも関わらず、介護施設への入居が難しく在宅介護を余儀無くされる場合が目立ち始めています。
慣れない介護というものに疲れ、結果的に高齢者を虐待することになってしまう場合が増えているのです。
また、介護施設内での虐待も目立ち始めてきています。
介護職に就いている人口は決して多くなく、ひとつの施設内で手が回らずこっそり職員が虐待をしているといったケースもあるようです。
さらに怖いのは、高齢者に虐待をしていること自体への実感がない場合もあります。
虐待をしてしまってる本人の精神状態の傾向によって変わってきてしまうのが厄介なところです。
2 高齢者の虐待が起こる原因

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では、高齢者の虐待が発生する原因を改めていくつか挙げていきましょう。
在宅介護で起こる虐待の原因は主に、
- 介護疲れ
- 家庭内の経済的な面によるストレス
- 介護をする側とされる側の元々の人間関係
これらが挙げられています。
やはりストレスが大半を締めることになります。
また、介護施設内での虐待が発生する原因もストレスが大きく関わってくるもので、
- 介護の難しさに対するもの
- 職員不足によるもの
- 職員の教育不足によるもの
- 職場内の元々の人間関係によるもの
などが主にあるようです。
3 虐待にはどんな種類があるのか?

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介護の現場で起こっている虐待ですが、実はいくつかの分類がされています。
主に、
- 身体的虐待
- 心理的虐待
- 経済的虐待
- 性的虐待
- 放任放棄
というものが挙げられます。
それぞれどういったものなのかお話ししていきましょう。
3-1 身体的虐待
虐待、という言葉のイメージにもっとも近いのが身体的虐待なのではないでしょうか。
主にどういうことがあるのかというと、
- 殴る、蹴るなどの暴力
- 威嚇
- ベッドなどへの不要な拘束
- 行動や言動の制限
- 過度の投薬
などのものが挙げられます。
いくつかある高齢者への虐待の中でももっとも高い割合なのが身体的虐待なのです。
3-2 心理的虐待
続いて心理的虐待ですが、
- 誹謗中傷
- 侮辱する
- 威圧する
- 無視する
- 脅迫する
- 嘲笑する
などといったことを指します。
虐待の中でも高齢者を精神的に追い込むものになっています。
3-3 経済的虐待
続いて経済的虐待ですが、本人の意思とは関係なく年金や通帳などの金銭を不正に取り上げるなどのことが該当します。
また、金銭を使用することを制限したり、必要な金銭を渡さないなどの行為もこれにあたります。
不動産を売却したり、カードを盗むといった犯罪と同様のことが行われているケースも残念ながら発生しているようです。
3-4 性的虐待
私たちの日常でも痴漢や盗撮などといった性的な犯罪について耳にする機会が多くありますが、介護の現場でも同様のことが起こっているのです。
本人の同意なく性的な行為を求めたり、性的な嫌がらせを強要するといったことが性的虐待となります。
3-5 放任放棄
介護をする上で高齢者に必要な行為を怠ることを言います。
主に、
- 入浴介助
- 排泄介助
- 着脱介助
- 移乗介助
- 介護に必要なものの用意
これらを故意に行わないことを指します。
時々耳にする「ネグレクト」とはこれのことですね。
4 虐待を防止するためには何ができるのか?

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さて、これまで高齢者の虐待に関する現状についてお話ししてきましたが、現状よりもさらに気になるのは防止に関することではないでしょうか?
ここでは高齢者の虐待防止についてのお話をしていきます!
虐待の防止に必要なこととなると、在宅介護の場合はやはり介護をする側のストレスの管理ということになってきます。
あまり無責任なことは言えませんが、例えば家庭内で介護を分担して一人一人にかかる負担を軽減したり、適度なリラックス方法を見つけていくことが重要になってきますね。
家族を介護施設で見てもらっている場合に注意したいこととなると適度に様子を見にいったり、職員とコミュニケーションをとって虐待を未然に防ぐことが大切です。
施設内での環境に関しては施設側や職員の方での心がけも必要になってきてしまうので、そのためにも施設側とのコンタクトと高齢者の様子見は行っておきましょう!
ちなみに、高齢者の虐待を防止するための法律として「高齢者虐待防止法」というものが制定されています。
これはどういうものかというと、先ほどご紹介したいくつかの虐待に該当する行為が見られた場合には、それを市町村の窓口に報告するというものになります。
まとめ

画像出典:https://www.j-cast.com/healthcare/2015/12/12252866.html?p=all
今回は介護の現場で発生している高齢者の虐待についてのお話をしてきましたがいかがでしたでしょうか?
未然に防ぐためには様々な視点から気をつけていかなくてはならないので、自己管理や介護施設との関わりについての意識を高めておく必要が出てきます。
とはいえ必ず起こる!と断言できることでもないので発生しないのが一番いいのですが、実際に発生しているケースがある以上知っておいて損はありませんよね!
今回紹介した内容をきっかけに高齢者に虐待に関する意識を向けていただければ幸いです。
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