高齢者に急増中の「老人性うつ」について知ろう!症状や予防法を解説

うつで苦しむ男性




65歳以上が人口の21%以上を占めた状態の「超高齢化社会」とも呼ばれる現代の日本…。

超高齢化社会になるつれて、高齢者特有の心の病気で苦しむ方も増えてきています。その1つが「老人性うつ」と呼ばれるものです。

うつ病自体は、若年者〜高齢者まで世代問わず罹患する可能性の高い精神疾患の1つとして、度々メディアでもトピックとして取り上げられています。

なんと15人に1人が生涯のうちに一度はうつ病に罹患すると言われるほど….。

しかし、「老人性うつ」の厄介な点は、普通のうつ病とは異なり、周りのご家族から気づいて貰えない可能性が高いという点です。

例えばご家族の方も、「親も年だし…ただ元気がないだけなのかな?」と、そんな風に軽視してしまいやすいやすく、放っておいたら症状が重篤化してしまっていた、なんてこともよくあります。

本日は、そんな老人性うつの原因や症状はもちろん、老人性うつの予防法や治療法に至るまで詳しく解説いたします。

1 「老人性うつ」ってどんな病気?

うつで苦しむ男性

出典 : https://www.photo-ac.com/

65歳以上の高齢者の方が罹るうつ病を、「老人性うつ」と呼んでいます。

「老人性うつ」という固有の疾患があるわけではありませんが、高齢者ゆえに見過ごされ重篤化しやすいその特殊性から「老人性うつ」と呼ばれるようになりました。

症状としては、通常のうつ病と基本的には変わりませんが、精神症状よりも身体的症状を訴えてくる場合が多いと言います。

老人性うつによる症状の具体例

  • 頭痛
  • 体のしびれ
  • めまい・吐き気
  • 肩や首筋の凝り
  • 耳鳴り
  • 食欲不振
  • 不安感
  • 焦燥感
  • 眠れない(眠っても深夜にふと目が覚めてしまう)
  • 趣味に対する興味の薄れ
  • 周や自分のことに対して無関心になる
  • 会話の返事が遅くなる
  • いつもボーッとしている
  • 物忘れがある

確かに、人間は誰しも歳をとると、反応が鈍くなったり、若い頃よりも活動的でなくなったりするものです。

しかしながら、それゆえに、例え老人性うつに罹患して元気が無くなっていたとしても、周りの人間も「歳のせいだ。」と決めつけてしまう傾向にあります。

これが老人性うつの厄介な点の 1つです。また、物忘れがあったり、本人に話しかけても返事がなかったり、一点を見つめてボーッとしている様子を見た家族が認知症と勘違いしてしまうこともよくあります。

2 「老人性うつ」の原因は?

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老人性うつの原因は、「心理的要因」と「環境的要因」の2つに分けることができます。

2-1 心理的要因

心理的要因の例としては、長年連れ添った配偶者(妻や夫)との死別や、重病に罹患して後遺症を患ってしまった場合などが挙げられます。

老人性うつを発症させる心理的要因の例

  • 配偶者との死別
  • 重病の罹患
  • 重病に罹患後の後遺症(手足が不自由になる等)
  • 配偶者との関係悪化や熟年離婚
  • 近隣に住まう人との関係悪化
  • 長年飼ってきた大切なペットとの死別

今まで当たり前のように存在していたものが急に無くなったり、できなくなったりする時にかかる心理的ストレスは計り知れません。

人間は生きていれば、刻一刻と老いて行き、いつか必ず大切な人との別れが訪れます。そんなこといくら分かっていたとしても、実際に我が身に起これば、心理的にも大きな負担になることは間違いありません。

もちろんそのような自分にとって大きな出来事に遭遇した後は、一時的に心が落ち込んでしまうものです。

しかしながら、不安感や体のだるさなどが1ヶ月以上続く場合には、要注意です。

2-2 環境的要因

一方、環境的要因の例としては、若い頃から勤続してきた会社を定年退職した場合や、子供が就職するにあたって家を出てしまった場合などが挙げられます。

老人性うつを発症させる環境的要因の例

  • 勤続してきた会社を定年退職した
  • 子供が就職や結婚するにあたって家を出て行ってしまった
  • 長年住んできた家を引っ越した
  • 家族や親戚、友人に会える機会が少ない
  • 夢中になれる趣味がない

長年慣れ親しんできた環境が急激に変化するときも、心理的なストレスになります。新しい環境に順応できれば問題ないのですが、なかなかうまく行かない場合こともあるでしょう。

例えば、子供の成長する姿を見るのが生きがいだった方にとって、子供が家を出てしまうということは、すなわち生きがいを失うことと同義です。

それに代替するような趣味などが特にない場合は、生きる楽しみを見失ってしまう可能性があります。

そのままゆっくりと老人性うつに移行してしまうこともあるでしょう。

3 「老人性うつ」の治療法は?

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冒頭でも説明した通り「老人性うつ」は、固有の病名ではありません。

なので老人性うつの治療法も、基本的には、一般的なうつ病と同じです。

3-1 投薬治療 + 認知行動療法(精神療法)が基本

老人性うつの治療法は、投薬療法と認知行動療法を並行して行うのが基本です。

まずは、落ち込んだ心を元に戻し不安感を抑えるために、「SSRI」と呼ばれる抗うつ剤をによる投薬治療を行います。しかし、投薬治療だけでは、うつ病は良くなりません。

心を落ち込ませてしまっている自分の悲観的な考え方や屈折した認知そのものを正していく必要があります。この療法を、認知行動療法と呼びます。

投薬療法は、この認知行動療法と合わせて行うことで初めて効果を発揮するものです。

中には「うつ病は薬を飲んでいれば治る」と勘違いされてしまっている方もいらっしゃるようですが、それは大きな誤りです。

たとえ薬を飲んで一時的に体調が良くなったとしても、認知そのものに問題がある場合は、投薬終了後にうつを再発してしまいます。

薬と認知行動療法で根気強く治していく姿勢が重要です。

3-2 環境の調整し過ごしやすい空間を作るのも大事

うつを発症させてしまっている環境そのものを変える必要もあります。

例えば、長年住んできた家を離れ子供と一緒に新居に引っ越してきたことが、うつの原因の1つとなっている場合には、本人が少しでも快適に過ごせるような空間づくりをしてあげると良いでしょう。

もちろん、環境を調整するには、ご家族のサポートが不可欠です。

大切なご両親のQOL(Quality Of Life : 生活の質)を少しでも上げられるように、手を差し伸べて上げられるのはご家族しかいません。

投薬治療や認知行動療法などの基本的な治療と併せて、環境の調整にも気を使ってあげるようにしましょう。

4「励まし」は老人性うつを悪化させる可能性も

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老人性うつに関わらず、うつ病患者にとって一番負担となるのは周りの「励まし」です。

「うつは必ず治るから頑張って!」

「気持ちで負けちゃダメ!物事はポジティブに考えれば治るよ!」

このような悪意なき励ましほど、本人にとって苦しいものはありません。励ましの言葉をついかけたくなっても、グッと堪えた方が良いでしょう。

そして「励まし」をしてしまう人ほど、「うつ病 = 気持ちの弱い人が罹る病気」と考えてしまっている傾向にあります。

これは巷で見かける「うつは心の風邪」といったキャッチフレーズばかりが浸透してしまい、「心の風邪ならいつか治るだろう」と安易に考えてしまっている方が一部にいることが要因としてあげられるでしょう。

うつは、外的なストレスなどによって脳が正常に働かなくなってしまった状態です。励ましても良くなることはありません。それどころかうつ病を悪化させてしまう可能性すらあります。

5 「老人性うつ」を予防するにはどうしたら良いの?

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5-1 あらかじめ定年後のビジョンをしっかりと描いておく

仕事一筋で頑張ってきた方が定年後に生きがいを失うと、老人性うつに罹るリスクが高まります。

定年前から老後のことをしっかりと考えて、「残りの人生をどうやって楽しめばよいのか」しっかりと考えておくことが大切です。

  • 配偶者と一緒に世界中を旅行したい
  • 見たことのない景色や世界に触れてみたい
  • 大切な孫の面倒をみたい
  • 今まで出来なかった趣味に思いっきり打ち込みたい
  • 定年後もパートやアルバイトをしつつメリハリのある生活をしたい

内容は、なんでも構いません。大切なのは、その将来のビジョンを思い浮かべると「なんだか気分が高揚する」、というそんな気持ちです。

その「高揚感」こそが、定年後の確かな「希望」や「生きがい」になります。

5-2 栄養バランスの取れた食事をとる

一見関係ないようにも見えますが、栄養バランスのとれた食事をしっかりと摂取することも、老人性うつの予防に効果的です。

特に、タンパク質やアミノ酸の豊富な食事を摂取するように心がけましょう。

精神を安定させる働きをもつ「セロトニン」と呼ばれる物質は、タンパク質によって作られると言われています。

食事の面もしっかりと気をつけることで、心身共に健やかな状態をキープすることができるでしょう。

5-3 陽光を浴びながら適度な運動をして汗を流す

太陽の光を浴びながら、適度な運動をして汗を流すことも、老人性うつの予防に効果的です。

人は歳をとるにつれて、どうしても外に出るのが億劫になってしまいます。膝を悪くしてしまったり、足腰が弱くなってしまった方は尚更です。

だからと言って家に引きこもってしまうと、刺激のない毎日になってしまいます。

強いストレスは心の負担となりますが、適度な外的刺激はむしろ心のバランスを整え、メリハリのある毎日にしてくれるでしょう。

テニスやパターゴルフなどはもちろんですが、足腰に不安のある方は散歩程度でも十分です。

6 看護する側の体調管理も忘れずに!

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老人性うつにかかってしまった親の面倒を看るために、毎日つきっきりとなってしまった結果、家族まで心を患ってしまうこともよくあります。

一刻も早く良くなってほしいという気持ちはわかりますが、うつはある程度時間をかけて治療しなければ中々寛解しません。

ご家族の方も、あまり気を張り詰め過ぎず、時には、買い物や散歩などを楽しんでストレスを解消することも大切です。

看護するには、そもそも自分の心身が健康でなければなりません。そして、大切なご家族が、陰鬱とした気持ちで毎日を過ごすことで、患者さん本人にも自責の念が芽生えてしまいます。

適度にストレス解消を行い、しっかりと体調管理を行いましょう!

まとめ

本日は、老人性うつについて詳しく解説しました。

老人性うつとは言え、症状や治療法などは通常のうつ病と変わりません。ただし、高齢者特有の環境の変化や出来事がうつを発症させる要因になりやすいことは確かです。

また、元気の無さや物忘れを「年齢のせい」だと勘違いされやすい点も、老人性うつの難点の1つです。周りの方が、ご本人の体調の変化にしっかりと気づいてあげることが大切と言えるでしょう。

ただし、内科的問題が原因となっている場合もあるため、まずは内科を受診し、内科的異常が見つからなかった場合に、メンタルケアクリニックを受診してみるようにしてください。

自己診断は危険です。専門の医療機関の力を借りて、ゆっくりと治していくようにしましょう。

老人性うつは、しっかりと治療すれば、必ず治ります。

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